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2012.06.11

速報→「三谷版 『桜の園』」パルコ・プロデュース

2012.6.9 19:00 [CoRich]

2012.6.9 19:00

7月8日までパルコ劇場。そのあと大阪、神奈川。135分。開演前に青木さやかによる前説タイムがあります。

開演前アナウンスで「喜劇」としての上演であることを強調。有償の当日パンフ(1500円しますが、200ページ超えでインタビューや背景説明満載で読み応えがあります)掲載の演出ノートでは戯曲にもともと「四幕の喜劇」と書いてあるのだという記載もそれを支えます。一般的な上演形態での桜の園が悲劇として上演されることが多いらしい、のですが、アタシはあまりちゃんと観たことがないのでわかりません。

喜劇として大爆笑編をねらうあまりの構造改変も、今の私たちの状況に無理に明確な投影を行うというようなこともせず、キャラクタや台詞の組立てを現代の私たちの感覚に受け入れやすく手直しを行った、という印象があります。結果、ちゃんとスタンダードな桜の園が、ずっと見やすくなったもの、という仕上がりだと感じます。もちろん詳しい人が見ればいろいろな差異はあるのでしょうが。

金がないと云いながら大切な「桜の園」を守るための貸し出しを拒み、何も対策を打たないままに競売にかけられ、土地も生活も失ってしまう地主階級を、世間離れしたほわんとした雰囲気に描き、その対立項として経済面で勃興してきた実業家や、新しい時代の知識人たる学生という変化のうねりを置くというのは、なるほど没落していく者たちという悲劇という構造自体は大きくは改変されませんが、その会話の端々のおかしみというものだけでも、物語のテンポも緩急も実に見やすく仕上がるのです。

没落していく地主たちを浅丘ルリ子、藤木孝というどこか世離れした役者にするというのは巧いキャスティング。対立する実業家を演じた市川しんぺーは圧巻の存在感を見せ、印象に残ります。新しい知識階層たる学生を演じた藤井隆は今作でのかかれ方そのものがコミカルなのですが、それをしっかりと演じます。初舞台だという青木さやかは前説の盛り上げも、そこかしこに入るコミカルなシーンもしっかりと。養女を演じた神野三鈴は支えなければならない立場、現実との接点がもっとも強く悩みの深さも観客である私たちに比較的理解しやすい立場だからこその、悲劇的なシチュエーションでのおかしさが強く印象に残ります。

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