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2010.05.17

速報→「北と東の狭間(外伝)」JACROW

2010.5.16 17;30

本編に対しての外伝は、役ひとつひとつを取り出しての一人芝居のアソート。本編にない外挿だったり、本編の場面を切り取ってみせたりの60分。

ママの夫はこの店の開店前日の愛情あふれる手紙を書いているシーン。本編のずっと過去のかたちを見せる深み。

対するママのシーンは、借金を抱えた夫の借金を生命保険とカリウムの殺人で解決しようとするシーン。ほぼ全編中国語という高いハードルだけれど、夫の書いた昔の手紙が「愛してる」を韓国語でまちがって「サランヘヨ」となっているところをうまく生かして、その手紙を金庫に大事にしまっている彼女と、それを捨てて決心するシーンを効果的に見せます。

店員の男は思いを寄せているホステスの心情吐露を中心としたあまりに切ない片思い。その片思いを遂げるためになんとか金を手に入れたいと思ってギャンブルにのめりこむという人物の背景を描き込みます。

ヤクザの男は刺された後のカウンターの中のシーン。刺されているという切迫したシーンで実家に電話をするという抜けた感じのコミカルが楽しく、外伝らしいつくり。レンタルビデオのタイトルにのかみ合わない会話も楽しい。

刑事はプライベートで店を訪れナンバーワンのホステスを指名し捜査をちらつかせながら無理矢理関係を迫るシーン。単に刑事の欲望というだけではなくて、不釣り合いにかわいらしい傘についての言及を取り上げて、本編ではうやむやになった中国人女性の殺人事件の犯人だと匂わせるのはスピンアウトドラマのようで楽しい。

二番手のホステス、婚約しているのに入れあげる男、その婚約者の三人は、本編の中でホステスが「子供ができたらしい」と告げてからの痴話喧嘩というか混乱のシーンをすこしずつ時間をずらしながら。

ナンバーワンホステス、その偽装結婚の相手の二人は、本編ではなぜか無言劇ととして描かれていた、カリウムを飲ませることを女が断念するシーンを一人づつのシーンとして台詞をつけた形で。

社長のシーンは、鎮火した現場で死んでいる愛人にかけより生前のシーンを思い出すというシーン。この一本だけは一人芝居ではなく、その愛人を登場させています。

本編の外側に別の深さや一面を描くという外伝らしい何本かがある反面、本編にあったシーンを一人芝居として描き直すということを繰り返すなど、外伝をつくらんがため、という苦労が見え隠れするのは少々残念。とくにナンバーワンホステスと偽装相手のシーンはこれをやるために本編を台詞が聞こえないという演出にしたのではないかという風に見えてしまう感じがしてしまうのです。 それでも、物語の外側にさらに背景を重ねようと言う試みの面白さ。まあアタシ個人としちゃコマがつぶされてしまうのは少々痛し痒しというところであるのですが。

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