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2010.02.03

速報→「幸せの歌をうたう犬ども」DULL-COLOERD POP

2010.02.02 19:30

休止期間に入ったダルカラの谷賢一の作演による企画公演。「当て書き」に対立する言葉か、な「当てられ書き」105分。平日のみ4日までタイニイアリス。CoRichには夜完売、とありますが、蔵せ記されているようなので劇団か劇場に問い合わせを。

行き詰まり、自殺を考えた女のところに降りてきた宇宙人。不幸という概念がなく、地球にきて不幸という概念を獲得するために不幸な人々をサンプリングし、そこから不幸を抜いて観察しようとする。

役者がそれぞれ勝手に出してきた役を使って物語を組み立てるいう趣向。寄席で行われる三題噺は、単語三つから即興で組み立てますが、十の役柄から一本の90分強の物語、役者も稽古もあるという趣向。「宇宙人」という特異点を使えばあとはどうにでもなるよなぁとは思うものの、「目的のためなら手段を選ばない女」だったり「ヒロイン」果ては「妹」なんてバラバラなお題を組み立てる壮絶さはあります。

物語を味わうという感じではなく、ネタやギャグを詰め込み、役者を揃えてお祭りにする趣向ですから、物語どうこうを云うのは野暮というもの。それでも、正直にいえば、これだけの役者、作演をそろえていても、初日時点ではかみ合っていない感じも随所に残ります。

膨大なさまざまを詰め込んでいる感じはちょっと面白い。微妙なネタも一杯。 たとえば序盤、腹にポケットの宇宙人が片言の日本語から蒟蒻を口にしたら流暢とか、 もうどうでもいいネタも沢山。

勝手に補完して読んでいく楽しさ。それぞれの台詞の孤独とおかしさを味わっていくと、断片の向こう側に作家が見えてくる感じ。どれだけ幸せだと思っていても、どれだけ楽しくても、その向こう側にある孤独を自覚する感覚はアタシの今の気持ちにはまります。

なるほど、若い作家の描く物語はごくちいさな世界でそこで吠え不満をぶちまけながらも、そこの世界に収まっていくひとの話。それは宇宙人の「幸せインプラント」ということになっているけれど、歳をとれば、誰にも改造されなくても、そうなっていくのです。時間軸への絶望だということ、かしらん。

あるいは、ある種の思考停止をすることで目の前の不幸を目隠しし、幸せだと思い込むとか、その先にあるセクトのあからさまな行き止まり感。ストリートで「生きている」人に対する優しい視線。今の街で起きていることを切り取ってみせる感じは作家の力。

酔っぱらいながらそういうことを脳内でリフレインすれば味わいも出てきますが、芝居を観ている最中、少なくともアタシの観た初日では、 物語も構造も成立にたどり着けている感じではありません。一本の物語にはならず、やっとこさ物語を二つに集約。ツノがつかない二人のうち、終幕の一人、そのポジティブさに泣きそうになるアタシ。もう一人はほったらかしなのだけど。

鈴木麻美は序盤のメガネ、中盤の妹、終盤の演説とファンとしては楽しさ盛りだくさん。妹といいながら指導するキャラというのはご愛敬だけど持ち味。ポジティブなロックンローラーを演じた山本真由美は役まわりからか彼女のキャラからかブレずに安心。狂言回しとしての宇宙人を演じた萱怜子の楽しさ。

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