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2010.01.16

速報→「美しいヒポリタ」世田谷シルク

2010.1.15 19:30

「夏の夜の夢」に物語を求め、若い作家の見る今の私たちの姿を被せて仕上げる105分。17日まで劇場「楽園」。

ネットショップや携帯コンテンツを作る小さな会社。開発中の携帯アプリ「お喋りアプリ」に社員はみなテストを兼ねてユーザ登録をしている。あからさまに恋人だったり、片思いだったり、浮気を疑っていたりする。社員の一人が出入りの業者と結婚することがわかり、パーティーを開こうという、少々浮ついた一日。

「夏夢」の王と王女、男女四人の若者の主軸のものがたりを拾い上げ、携帯コンテンツベンチャー社員たちのささやかだけれど本人たちに取っては重大な物語を重ねて描きます。 残りの半分は、オフィスの会話の片鱗からリンクして想起されるままに、「夏夢」そのものずばりをコラージュしながら。終幕などの小さな追加はあるものの、物語は「夏夢」そのもの。こうコラージュするのか、というのは原作を知っているゆえに楽しいのは、アタシにとって前回とは違う印象。ならば今作も知らないで見ているひとにはどう見えるかしらん。

日常の何かの会話をぼんやり聞いていて、芝居やドラマ、小説のシーンがフラッシュバックする感覚。そんな経験があるならば、これを楽しいと思う感覚をわかってもらえる感じがします。しかしアタシが好みなのはむしろ、現代の風景を切り取る作家の眼光なのです。

キャラクタづけをマンガだったりRPGのように明確にしているのは、携帯コンテンツという背景を巧く引き込んでいるし、ステロタイプではあるけれど、芝居を見やすくしていてアタシはうれしい。作家の強さは、そこにとどまりません。 何気ないことばや関係はそんなのものすごいものではないけれど、そのけだるさを含みつつ日常にありそうと思わせる何気ない言葉の選びとり方が、アタシにはいとおしい。

いくつか長めのダンス。あるいはリズムに溢れる感じ。「わが星」の後では少々分が悪いのは痛し痒し。

深い森、闇の中に迷い気迷う夏夢の世界。現代パートではそれを携帯の圏外(という見えないとき)に置き換えます。なるほど、普通に会話しているあたりでは、みんなが携帯の画面を見ている感じ。視覚を携帯に依存する気持ちに投影するというのは新しい解釈で面白い。

前園あかりのヘレナが抜群に面白い。堀越涼のパックは迫力もあってビシッと決まる。石井舞は実に可愛らしい。岩田裕耳の声を生かした感じもいい。堀川炎はコミカルでも可愛らしい感じでも決まる。

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