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2009.12.26

速報→「みなぎる血潮はらっせらー」渡辺源四郎商店

2009.12.24 19:30

不定期に作られたラジオドラマ「県立戦隊アオモレンジャー」(wikipedia)外伝。リーダー「リンゴレッド」を巡る家族と父親の物語。60分強。26日までアトリエグリーンパーク。

観光物産館・アスパムの外壁によじ登って騒ぎとなり、警察で取り調べを受ける赤いコスチュームと仮面をつけた男。自らを県知事直轄の秘密組織、アオモレンジャーの一員と名乗る。が、騒ぎを起こした理由には口を開かない。

青森放送のラジオドラマとして放送され、全国版と銘打ってナベゲンのリーディングとしての記憶も新しい「アオモレンジャー」。青森をねらう日本各地の都道府県との死闘を青森ローカルネタを山ほど突っ込んで描く、いわゆる「地産地消」型の物語を下敷きに。今年49だという彼にも妻子がいる。けれど緊急事態の出動で、家を決める下見も、出産の立ち会いも、娘の運動会にも、自分の誕生日のパーティも、家族の期待も約束も裏切り続けてきた男。どちらかというとにぎやかな感じの本編と比べると、この「男」の悲哀に近い物語はごくごく静かに。

ラジオドラマからの抜粋のヒーローとしての男の姿(ここに恋ネタだの銭湯シーンだのが断片だけどてんこもり)と、それに対比するようにして男不在のまま進む家族の場面で「男を描く」ように構成。ラジオドラマの方はあくまで明るく楽しいヒーローショー。 家族の話は個々にはわりとベタだったりするけれど、とても丁寧です。もともと畑澤聖悟の一人芝居を意識して企画されたようですが、女優二人に家族を演じさせることで(しかも人数が少ないから自在に入れ替わる)ぐっと奥行きのある感じ。それでもコンパクトな仕上がりは、劇団には必ず持っていて欲しいアタシが思う「ポータブルに持って行ける芝居」なのです。

仕事をとるのか、家族をとるのかという、中年サラリーマンの板挟み。出来ない約束をしてしまって結果家族を裏切り、どんどん離れていく家族たち。全体にはヒーローの男の家族の物語に見えますが、そこはタダではすまなくて、もう一皮かぶせてせてうならせます。あまりに悲しい、しかしそこに男が泣かなくてどうする、という仕上がり。

畑澤聖悟のがっつり役者というのも久しぶりの感。なんせ主役ですからかき回しというおもしろさは薄い感じですが、かっこよさと、かっこわるさが、きちんと同居する厚みのある男がしっかり。 三人芝居を三バージョン。あたしのみた「ほたて」キャスト(全部見たかった..)は、工藤由佳子、工藤静香と、安心のナベゲン看板役者そろい。女優ふたりは妻や娘たち、アオモレンジャーの他の隊員など数役を。時に入れ替わったりもして魅力を堪能。コンパクトに作り、あちこちで上演したいのだといます。その一歩とも思える高松公演も来年控えています。

役者三人に加えて、上手奧に照明オペ卓、下手奧に音響(演奏も)オペ卓を据え、そのメカメカしい感じで「秘密基地」の体裁にしているのかっこいい。この狭さでムービングライト二基という無茶さ加減も楽しい。演奏も音響も、というのはさすがに切っ掛けが多すぎるのか少々廻ってない感もあるけれど、それはそれ、このライブ感こそがラジオドラマ出自の物語としての面目かなと思ったりするのです。

24日夜の回は青森放送のチャリティーミュージックソンの中継をいれて「アオモレンジャー全国版」のリーディング15分。こちらはあくまでにぎやかに、楽しく。

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コメント

いつもお世話になっております!
全国制覇公演でお会い出来るのを楽しみに、今後も頑張って行きたいと思います!

投稿: なべげんの明り屋 | 2009.12.28 11:08

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