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2009.10.10

速報→「プルーフ/証明」DULL-COLORED POP

2009.10.9 19;00

ダルカラポップ休止前の二本立て、そのうちの一本。ほかでの上演を経て研ぎ澄まされて。休憩10分を挟み135分とのアナウンスだけれど、アタシの見た金曜夜は21:30終演(たぶん開演押しと休憩時間押しかも)。13日まで奇数日上演、サンモールスタジオ。

天才といわれる数学者を父親に持つ娘。姉はニューヨークにでてしまっているが、神経を病んだ父親とシカゴの一軒家で暮らし、晩年の面倒は自分が見ていて。父親が亡くなったあと、書斎の膨大なノートを整理する教え子の今は教員の。葬儀のために久しぶりに訪れた姉。
葬儀の夜、悲しみを和らげようと姉は友人、父親の教え子たちを招いてパーティを開き、気持ちを交わして娘(妹)はある秘密を父の教え子の男に打ち明ける。

映画にもなっていて、芝居としてもわりと上演されているようですが、アタシはコロブチカ版だけを観ています。隙のない美しい物語でもあり、家族の気持ちを丁寧に描く物語という両面を併せ持ち、演出次第でどちらの横顔にもつながる広がりのある戯曲。

アタシが初めて観たコロブチカ版を基準にして比較すると、どこまでも透明でナチュラルでフラットな印象で家族の物語に着地したコロブチカに比べると、美術はシンプルなのに、ロックでもありポップさも持っていて、スピード感とゆるやかさの緩急の差が楽しくてむしろエンタテインメントな色が多いのです。

翻訳物っぽい台詞回しを意識的にしていた節もあるダルカラなのだけど、本作はそれがいい感じで抜けていて、違和感がなく。 一軒家の建物を客席側にあると想定し、それにつながるデッキの部分にある机と椅子というだけのシンプルな美術のアイディアは相当に秀逸で、この戯曲の描くシンプルで美しく力強い数学の世界を体現するよう。結果として家からの出入りを客席通路からという導線になってドアの前で立ち止まる一瞬の表情が見やすくて印象的な場面がてんこ盛りなのです。

天才的な数学者で今は気を病んでいる父親を演じた中田顯史郎の圧倒的な説得力。厳格さと父親の娘に対するある種の甘さがきちんと醸し出されているのは凄い。休憩後のシーンは、軽やかでおかしくて。そのあとの躁状態や、序盤の落ち着いた会話など様々な顔を見せて本当に魅力的。妹を演じた清水那保は可愛らしくて心が強くて魅力的。まるで七変化のような衣装も楽しい。当日パンフで作演が「俺の溺愛する二人の劇団員〜」というのも頷けます。姉を演じた木下祐子はアタシ自身の視点の拠り所になる世間との接点の重要な役をしっかりと。

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