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2009.09.14

速報→「極めて美しいお世辞」箱庭円舞曲

2009.9.13 19:30

120分、OFF OFF。美容院のバックステージの話なのだけれど、サラリーマンのアタシですら納得感のある、どこでも普遍に腑に落ちる会話は、会社員にこそ観てほしい。月曜からはトークショーもあります。

美容院、裏側、ロッカーと机とパソコンとダミーヘッド(正式名称知りません)のある部屋。5店舗を構える上期最下位の店。7年ぶりに天才肌の美容師も店に戻る。

美容院の話ではあるのだけど、そこに一度もいったことのないアタシでも納得感。これが美容院でも会社でも劇団でも成立しそうな大枠がしっかりしていて、気持ちにひっかかるポイントが多い。どこでもありそうな話という身も蓋もありませんが、そこかしこで起こりそうなことを書き込んで、知らない場所の話でも納得させる力があるは作家の強みなのです。

ミクロな会話があとから思い出すといちいちきっちり。 たとえばスタイリスト(原田優理子)とけん玉の女(津留崎夏子)の会話、唐突にすぎる動きの理由があとから腑に落ちるすごさ。このけん玉の女のポジションというのはすごくて、昔と今を繋ぎ、物語の裏側を見せ、しかしそれを軽く不思議な感じに見せてしまうたしかなちから。

後半で見せる総代表(伊藤新)と戻って来た天才肌美容師(小野哲史)の対峙のシーンがぞくぞく来ます。逃げ場を無くして追い詰めていくマネジメントと、圧倒的な能力のある職人のある種のバトルは二人とも格好良すぎるきらいはありますが、どちらに進むかという会社員的にほろ苦い分かれ道の先にある二人の姿で、あたしの気持ちを揺らします。

仕事の裏と表、色気も挟んでというのは、作家は意識していないと思うけれど、ある種「島耕作」の雰囲気。全く物語は違うけれど。観客の今の悩みと少々の夢想を視座にするという意味でエンタメっぽくてアタシは楽しい。

総代表からのプレッシャー、考え抜く店長(高木充子)の分析、たとえばスパンが伸びているという台詞は日経に載ってそうなありがちな分析だけど、芝居の台詞として聞くのは少なくて、作家が社会の、少なくとも風向きはきちんとみていることがアタシの気持ちを支えます。

これだけの濃密な芝居、DVDはもちろん売るでしょうが、アタシはむしろ戯曲として読みたいのです。当日パンフにクレジットされている前説男は作演ですが、劇中にも名前が出てきたりとか、以前の芝居の人物を引いてきたり(でも物語自体にはその知識を必要としない)する遊び心が楽しい。

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