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2007.09.24

【芝居】「トラビシャ」ひょっとこ乱舞

2007.9.23 19:00

ひょっとこ乱舞の新作。携帯電話必携の仕掛けやラジオを使う演出などさまざまが楽しい。初日時点での完成度は高いとは云えませんが、仕掛けは楽日に向けて慣れていくだろうし、物語には幾多の作家が挑戦しているネットを題材にした物語を作り出そうとする萌芽が見える85分。10月3日までアゴラ劇場。

娘殺してしまった母親、海外出張中の父親よりも少しだけ近い海外の親戚に伝える。が、帰国までの時間が待てない母親は、あろうことかネットの掲示板に相談を書き込んでしまう。

客席は対面配置で横階段からのアプローチ。となれば、入り口の導線を考えれば当然な1F入口をロビー側にするというごく当たり前の動線変更をさらりと初日時点でやってしまうのは制作面としてたいしたもの。チケットと共に手渡されるアンケートボードには観客自身の携帯電話を使ってQRコードやメールアドレスを登録する説明。二階に上がればFMラジオを手渡され、と、やけに重装備になります。メールアドレスの登録とラジオが聞こえることさえチェックさえしてしまえば、このふたつ劇中で明確に示される各一カ所だけで使われるので緊張する必要はありません。リラックスして普通の芝居として観ていられます。携帯電話の操作が必要だったり、マナーモード設定が必要なので少し早めに劇場へ。

2ちゃんねる風の形式の掲示板、そこに重大な出来事すら書き込んでしまうことをごくあたりまえとしてしまう感覚。ネットの向こうには悪意もあるけど善意を信じて、頼ることを当たり前としてする感覚がそこにはごく自然に描かれています。第三舞台の「朝日のような夕日を連れて」とか「ファントムペイン」などで鴻上尚史が描いてきた人とネットの関わり、ということと同じ根っこを持っているような気がしますが、おそらく作家は過去のものから作り上げたわけではなくて、皮膚感覚で感じ取っていることを、もがき、のたうち回って表現しているという感じを受けます。全体を通してみると物語としての成立はかなり荒削りですし、わけわからないとも思いますが、アタシはその「もがいている」感覚に共感します。

繋がりは薄いものの、パーツではかなり出色の出来のところもあります。「復活」のシーンは看板の二人の役者をある制約の中で強烈にフィーチャーする出来。思いつきの勝利ではあるのですが。 ダンスのシーンは上演時間を考えれば少し長い感じはしますが、美しくて、「リズムに乗せられる楽しさ」のようなものを感じられて、アタシは好きです。

ひょっとこ乱舞「トラビシャ」
2007.9.23 - 10.3 こまばアゴラ劇場
作・演出 広田淳一
出演 チョウソンハ 西光カイ 橋本仁 松下仁 西川康太郎(劇団コーヒー牛乳) 伊東沙保 中村早香 笠井里美 高橋恵 草野たかこ 根岸絵美

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