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2007.09.23

【芝居】「カロリーの消費」サンプル

2007.9.22 15:00

青年団リンクから独立した「サンプル」の2回目、独立後初の公演。100分。24日まで三鷹市芸術文化センター 星のホール。あたしの観た土曜昼公演に限れば当日券もありました。

寝たきりの母親が入っている老人ホーム、息子夫婦は年に一度訪れるだけ。若い男の介助士の虐待めいたことに家族は怒るが、それが日常のホーム。ある日、母親はその介助士とホームからベッドごと逃げ出す。家族は警察に捜査を依頼して...

アタシの友人たちの間でも評価が分かれるのです。もちろん役者や演出としての完成度は青年団の根っこを持つ彼らですから安定しています。別れる評価は物語にあります。結果的にほぼ全員が「おかしい」奴らで、劇中の世界はそれでも均衡がたもたれていて日常として回っています。彼らが考えるロジックも、アタシ達とは違いますが破綻していないし無理があるわけでもありません。

その世界はガチャガチャのカプセルの中のようにつるんとしていて、中はアタシからは見えるし中で動く者はあります。が、そのなかだけで閉じている中身を欲しいかと云われると、「アタシとは関係がない」と思ってしまうのです。つまり、どこか遠いところの風景として見えていて、客席に居る自分とリンクしていかない感じとでもいいましょうか。(わかりにくいな)

アタシ達に繋がる何か、たとえばアタシ達の視点に近いもの、あるいは外から入ってくる人物、共感できるロジックがあれば、もっと違う見え方をしそうな気がします。街角で言葉を集める少女や、歌を歌う女性にはその萌芽が見えますが、もっとアタシ達のほうに寄って欲しいのです。

星のホールという劇場は、あまたの小劇場劇団が挑戦しては制圧できない空間、という気がしています。舞台のタッパの高さゆえに空間がスカスカになってしまうところがある、ということは薄々わかっていたのです。舞台には横に長い壁と扉だけがあります。窓やほとんどのものを上から吊り下げ、上げることで場面を転換し、あるいはその壁の上での芝居を臨機につくることで空間を埋めているのはさすがに巧い。

ここ数本のこの劇場でのさまざまな劇団の公演では、客席の作り方を何通りも試しています。客席が全体にフラットなのがこの劇場のもっとも弱点だと云うことに気づいたようで、なるべく客席の斜面を作り出していく、ということが功を奏しています。見えなさというよりは、これも舞台と同じ頭上の空間にすかすかした感じになっていたのだと、アタシもわかってきました。もともと小劇場演劇をやるために作られた空間ではないのでその空間の埋めかたが大切だと思うのです。

サンプル「カロリーの消費」
2007.9.14 - 9.24 三鷹市芸術文化センター星のホール
作・演出 松井周
出演 辻美奈子 古舘寛治 古屋隆太 大竹直 渡辺香奈 山崎ルキノ(チェルフィッチュ) 米村亮太朗(ポツドール) 山中隆次郎(スロウライダー) 羽場睦子

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