【芝居】「渋柿の行方」ヒンドゥー5000回
2007.9.14 19:30
11年目になったヒンドゥー五千回、2003年初演作の再演。アタシは初見です。2週末のロングラン。110分。サンモールスタジオ。45度に斜めになった長方形の舞台。客席は自由席ですが下手寄りが正面になっています。24日まで。
親と娘が住む。同級生や先生が来たり、近所の男がもらい湯に来たり。ある夏の日、祖父母が東京に出て来るという手紙、娘は会いたいと喜ぶが、夫は昔からこの両親(娘にとっては祖父母)には困らされ続けてきたと困惑し。
ある意味パンクな、劇中の言葉で言えば頭のおかしい祖父母と振り回される息子(=父親)と、リスペクトするその娘と。兄弟たちや同級生、教師、近所の人は前半でかき回しますが、笑いよりは怖いとかキモいに近い位置づけで、たくさん出てきてしまうが故に薄くなる感じもします。
2時間弱の時間の終盤、90分からはコアになる物語が急速にクローズアップ。祖父母を見つめる娘の表情が絶妙。反面、たとえば娘をねらう男たちを思わせぶりに描きながら、結果的には枝葉になってしまうのが惜しいのです。彼らのせいではありませんが、あるいは時代を特定しないこの描き方で出てくる首相官邸という言葉が今イマの現時点で持ってしまうという昨今のニュースはちょっと損をしてる感じはします。
若い役者たち、年齢のそう変わらない役者で勝負するざるをえない小劇場では三つの年代にわたる配役にはそもそも無理があります。が、そこをあえて出オチてきなことをすることで作り物感ゆえにアリとしてしまうのは巧いかと思います。
さまざまなことをそれをすべて承知してる母親の存在は強い。原扶貴子が見せる絶対に守る感じは印象的。娘を演じた長谷川有希子は幼さと学校に行けないような弱さを兼ね備えた感じで、それゆえに目を真っ赤にする祖父母についての想いの深さが心に残ります。
パンクな祖父母をどこに着地させるかは難しい問題なのです。どうやってもかなり難しいと思います。今作で一番重きを置かれている、一種の諦めというか悟ったような今作の終幕はひとつの着地点でしょう。もっとも終幕の袋の中身はたしかにこうするしかないのだけど、もうひとひねり欲しいとも思ってしまうのです。
ヒンドゥー五千回「渋柿の行方」
2007.9.14 - 9.24 サンモールスタジオ
作・演出 扇田拓也
出演 谷村聡一 久我真希人 向後信成 藤原大輔 扇田拓也 西田夏奈子 原扶貴子(KAKUTA) 長谷川有希子(reset-N) 岸浪綾香(ボールドカーテンズ) 宮沢大池 平野圭(ONEOR8) 石黒圭一郎(劇団コーヒー牛乳) 成川知也
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