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2007.02.28

下馬評

CoRich舞台芸術が開催した舞台芸術まつりのエントリが締め切られ、81団体が応募したとのことです。ここから28日に10団体が発表され、その後舞台を観てのグランプリ決定が6月5日とのこと。終盤の盛り上がりというか、エントリや各種情報を充実させようという流れはもの凄くて、盛り上がった感じがします。

終盤に来て審査員5名もやっと発表されましたが、それとは関係ないアタシでも、81団体を眺めてあれやこれや思うのは楽しいなぁと思ったり。紅白を観てるようなノリですかね。ちょっと応援(観た公演の登録や、お気に入り登録など)も出来るのが楽しいのです。観てない劇団を選ぶのはホントに難しいなぁ、とか酒を呑みながら気楽なモノですが(失礼)。

事務局側が気づいているかどうかはわからないのですが、このイベント、実は結構凄いことをやらかしている感じもします。

  • 一次審査の対象の書類(エントリ)を誰もが観られる形にした。いわゆる企画書にあたるものをweb上に作らせてそれを審査すると明言しているわけです。こんなにオープンな形での審査というのを芝居に限らずアタシは目にしたことがありません。
  • ゆるやかに繋がる時期だけを決め、バーチャルに束ねることで演劇祭を成立させた。東京で開かれる演劇祭にエントリするには地方の劇団には敷居が高いのだけど、この形式ならば参加が可能になっているのです。
  • ちょっと行く末、気になるのです。

    週末には会社に行く用事が珍しくあったりして、コマ足りない予感。

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    2007.02.25

    【芝居】「モロトフカクテル」タカハ劇団

    2007.2.25 19:00

    ◆沢山間違えましたので、訂正。ご指摘感謝。(2.26)

    早稲田劇団で、高羽彩の作演による新作。学生運動浅間山荘から35年の歳月を経て彼女が描く地に足がついた感性が魅力で骨太。学生劇団とは思えないクオリティ。26日まで早稲田大学学生会館B203。

    大学の部室。自治会の人数は僅か3人。6年も前から出されていた部室の収容が突然1ヶ月の期限を切られ実施されると通告された。出入りしていた少々うさん臭い活動家なる人物に指導を受けて反対運動を始める。同じ部室を共有している手話サークルも幽霊部員ばかりで実質二人だが、活動家には怪しさを感じて別に活動を始める。
    うまくいかない活動の中、自治会に匿名のメールが届く。モロトフカクテルと名乗る彼は、不甲斐なく覚束ない彼らを応援するもの。部室にも同じ名前のノートが残っていて…

    浅間山荘から35年なのだそう。アタシはリアルタイムでは体験していないし、大学でもその名残すら殆ど体験していません。ましてや現役の大学生である彼らにはもっと遠い時代の筈。早稲田という場所は今でも多少の名残を感じさせていることはあるかもしれませんし、そこに調査を加えて作られたであろう物語。が、何よりこの作品が力を持つのは、時代の背景は背景として取り入れながら、今の彼女たちや私たちの考えかたで、腑におちるように造形された人物たちが、納得いくように行動していると感じさせるように作られているからなのです。

    アタシの友人は「現代の飛龍伝」とこれを評します。学生運動を描いた名作はたしかにそうだけど、年月を経た現代は戦い方すら忘れてしまった人々の話。闘争を嗅ぎつけてやってくる大人たち(これを「単に対立派だけにしないのが巧い)に翻弄されたり、感傷に理解を示してみたり。イマドキの芝居ですから「飛龍」なんてものが登場することもなく、世の中はそんなに甘くない着地点に行くことは予想出来ますが、それは大きな問題ではありません。

    自治会役員というポジションの現代大学生における位置、戦うとはいっても状況をろくに知ろうとすらしていなかったり自分では判断していない危うさなど、現代のアタシ達のダメさや変節を物語を運ぶ道すがらできちんと書き込んでいて、観ている側にリアリティを感じさせます。

    前回の企画公演で感じた「女性の視点の足下の確かさ」は今作でも感じ取れます。終幕での「理屈どうでもいい。アタシはいたく傷ついている(ことをどう考えるのか)」という視点は腑に落ちる(いや、あたしオヤジですが)感じ。35年前のカップルは物語の上では必ずしも登場しなくてもいい気はしますが、これがあることで何倍にも深みが出ている感じがします。

    現代と昔、二つの時間軸で進む物語の行き来は軽やかでスムーズです。両方の時間軸に唯一登場する井手豊が味も軽さもあって見せます。タイトルや、夕焼けから夜から朝へと流れるシーン、終幕の印象的な赤など光がこの閉鎖した部屋での物語に時間をきちんと作り出します。

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    【芝居】「B計画(プラン)〜彼女の住む宇宙(そら)」SKグループ

    20070.2.25 14:30

    精力的な道外公演を計画している札幌の劇団、SKG二回目の東京公演。120分、公演は終了。

    列車も止まらない忘れ去られた駅。新興宗教団体の勧誘に使われた絵の作者を探してやってきた男。宇宙人が住むのだという住人たちは記憶喪失や年齢退行などそれぞれに何かを持っているが、宇宙人の子供を産んだという全盲の女の書く芝居の脚本で客も居ないのに毎朝稽古し酒を呑む毎日で…

    アゴラ劇場では普段見かけないような若い女性の客層で千秋楽は満員。NACSに始まる北海道発の芝居のパワーを感じる客席。先行する札幌の公演とは別バージョンなのだそうで、上京組も多いのでしょう。

    前半はどつき漫才かと思うほどのドタバタとした笑い。かと思えば、つか芝居かと思わせるテンションと迫力の断片。劇中劇のような感じで異質なものを取り込んでいるのだけど、楽しめます。

    そうやって作られた世界の中での謎解きの後半は、笑いはぐっと少なくなり、丁寧に想いをつむいでいきます。 あまりに辛い現実との折り合いをつけるために彼らが選んだ道は傍目には頭がおかしいと思えるのだけれど、というのは小劇場的によくある展開といえばそうなのだけど。前半のテンションとの落差が大きいのと、少々くどくなりがちなのが残念な感じなのですが、後半の1時間分はもっと観客を信じてシェイプアップ出来そうな気はします。 それでも、札幌発の劇団は今まであまり観て来なかったのですが、今後何回か見てみようかと思わせるのです。

    終演後に主題歌を歌うフォーク系デュオ・SE-NOによるミニライブ付き。楽日は結局4曲。ヌルイMCもあって、慣れないアタシには少々間延びして感じてしまうのだけど、主宰も含めて、全体にのんびりしてるというのは彼らの良さなのかもしれません。

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    【落語】「三本締めの会」

    2007.2.24 18:30

    桂文ぶん、柳家三之助、五街道弥助が池袋演芸場で定期的に行っているネタおろしの会。

    逃げ出した馬を探し回る「馬の田楽」を文ぶん。彼自身はもっと洒落た感じなのに、話の中では朴訥としたしゃべり方が印象的。

    怒りっぽい男が人格者のご隠居に諭される「天災」を弥助。けんかっ早くておっちょこちょいな主人公が魅力的で気持ちが残ります。

    屑屋が引き取った仏像をめぐる騒動「井戸の茶碗」を三之助。マジメ一筋の男ばかり、武士の意地の張り合いの狭間で右往左往する屑屋というキャラクタの造形は得意な感じ。

    漫才のホームランは、芸歴25年とか。爆笑編で中入り後の客席のテンションを一気に上げて面白い。

    横浜から池袋の湘南新宿ラインで呑んだビールが良くなかったか。ちょっと眠たい感じで失敗したあたし。

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    2007.02.24

    【芝居】「セロ弾きのゴーシュ」横濱リーディングコレクションCプロ

    2007.2.24 16:00

    横濱リーディングのもう一本。ライブMC風が気楽に楽しめる60分。25日まで相鉄本多劇場。

    マイクと譜面台だけのシンプルな舞台。ライブハウスに立つミュージシャンのようなノリで舞台に立つ役者(出はけも客席側からだ)たち。プロデューサーの話やら、今日来るまでの出来事やらのMCを挟み、テキストの一章を一曲に見立ててシャウトしたり早口で捲し立てたりのライブ仕立て。

    思いついたもの勝ちなやり方ですし、このワンアイディアで60分だと(観客は恐ろしいもので)飽きてしまう感じもあります。が、強弱やMCを挟むことで逃げ切った感があり、大したものだと思います。

    小さなライブハウス独特の内輪感を意図的に醸し出そうとしているという感じもあります。 楽屋落ち、寒さヌルさも含めて間合いを取りながらやってると感じるのですが、実際の所はわかりません。

    結果的にこれが一番「リーディングらしい」仕上がりになっています。何度も使える手ではないと思いますが、アタシはこれは嫌いじゃない。気楽だし。

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    【芝居】「オツベルと象」横濱リーディングコレクションBプロ

    200702241300

    横浜のリーディングシリーズ。第七劇場の鳴海康平の手によるBプロ。40分。25日まで相鉄本多劇場。

    働く農民たちのところに降りてきた象。オツベルの巧みな言葉に騙され、働かされ…(青空文庫)

    搾取にまつわる教訓めいた童話をベースに置きながらも、様々なテキストからの引用をコラージュ。更に、ベッドに横たわる女、読み聞かせる男、労働者らしい男の枠組みで語られる物語。

    当日パンフの解説によればベッドの女が賢治の妹トシであり、読み聞かせているという、「外側の枠組み」を構築しているようです。演出なりの解釈でありながら、例えその意味が伝わらなかったとしても、メイン物語をわりとそのま語り聞かせるという形なので、観客には最低限、ちゃんと物語が担保されるという良さがあります。

    正直な話、アタシは鈴木忠夫鈴木忠志の系列のような身体表現や発声には苦手な意識があります。が、それでも楽しんで見られたのは、コラージュとはいいながら、メインの話は切り刻まずにキチンと語っていることのわかりやすさ、コンパクトにまとめた短さが助けになっている気はします。単に手法の問題というよりは、物語に対する敬意を感じられるのです。

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    2007.02.22

    【芝居】「饑餓陣営」横濱リーディングコレクションAプロ

    2007.2.21 19:00

    三回目を迎える横浜・相鉄本多劇場のリーディング公演。皆勤の椎名泉水(studio salt)演出は、食べることにこだわる彼女らしい、しかし笑いも一杯の40分弱。時間が短いので前売り予約やセット券を活用するのをオススメ。24日夜、25日昼まで。

    戦場で空腹の兵隊たち、将軍の胸に下がるお菓子の勲章を食べるために...(青空文庫)

    宮沢賢治の戯曲。農学校の教師だったころ、演劇・音楽・ダンスを取り混ぜながら、農家から来ている生徒たちの発表用として書き下ろされたといいます。序盤は空腹、次に腹を満たす企み。後半はなぜかその将軍が体操を通して農業の技術を手ほどきし、収穫を得るという流れ。彼らの生きていた時代・場所から生まれたということが納得できる戯曲。

    実際の所、「果樹整枝法(という音)」とか「エーベンタール」とか「カンデラーブル」という単語を聞いてもそれが何を表すかはわかりません。が、その音の楽しさは歴史の中でも読み継がれる作家の強み。

    慣れた演出家が選んだのは、言動分離と、原作では12人の兵士達を半分に圧縮しながら楽しい舞台にするという方法。右へ左へ音が動いたり(展覧会の絵、というシンセサイザーの名曲を思い出しますが)、パーカッションの音が印象的だったり、役者が食べるということの生理を舞台に載せる面白さ。時間も短く、子供(初日では二人ぐらいいました)もおとなしく、楽んでいたようです。

    初日の客席はほぼ満員。横濱リーディングはどうしても、身体表現の演出に寄りがちなので、楽しめる舞台は貴重な色なのだと思います。この長さならば、どこか隙間でもう一本見たいと思うのは、演劇ジャンキーだからですかそうですか。

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    2007.02.21

    ばたばた。

    ちょっと、ばたばたしてたりするのです。オフィスの引っ越しってのは仕事と言えば確かにそうだし、達成感が短気に得られるので結構すきなんですが、いや、やっぱりばたばたするものです。それだけやってるわけにも行かないので。

    今週末。

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    2007.02.18

    【芝居】「キリンの夢/コタツのある風景」桟敷童子

    2007.2.18 19:00

    短編2本立ての番外企画公演。30分+50分。西新宿成子坂劇場の公演は終了。

    部屋で大きなキリンを一心不乱に作り続ける女と尋ねてくる女「キリンの夢」。別れた筈の男や職場の同僚が彼女の部屋にガヤガヤと「コタツのある風景」。

    二つの話は直接は関連しないものの、雪の夜、交通事故がからむという点が共通。

    「キリン〜」は死んだ幼なじみが毎夜現れる部屋。彼女に許しを乞うためにキリンを作る女の話。シンプルなたったひとつの想いを繰り返し語りかけてくるようなモノローグ的なつくりなのですが、ほぼ全編が高いテンションのまま貫かれていて飽きない感じではあります。大きなキリンの造形が印象に残ります。終幕で首をもたげる動きをするのですが、これを糸で吊って動かすのではなく、首の中に関節を仕込んだような構造で結構凝っています。まさか動くとは思わないので、ちょっとびっくり。

    「コタツ〜」は、彼氏の嫌な所を見てしまって別れた女の部屋。コタツのある部屋で、なぜか女の同僚まで鍋をするために集まってきたりするのだけど、ホントは静かに過ごしたかった夜。近くで事故が起きたり、猫屋敷の老女と仲良くなったりといろいろ起こるのだけど、これも猫、コタツ、事故にまつわる女のモノローグ的なところが根幹にある気がします。コタツに潜って出てくると、別の世界がある、という子供の頃のシンプルな想いが結実する終幕は物量作戦ではあるのだけど、ほんの僅かな時間で雪景色に変化させる装置で、印象に残ります。

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    【芝居】「真冬の同窓会」弘前劇場

    2007.2.18 15:00

    長谷川孝治の弘前劇場向けでは約3年ぶり新作。横浜・相鉄本多劇場では終了。23日から25日までザ・スズナリで。90分。

    ホテルの控え室のような部屋。建物の中で唯一の喫煙場所らしく様々な人々。送別会や結婚式やら、スタッフや出席者やら。

    びっくりするような形で馬の話が出てきたり、唐突に英語だったりとバタバタとした感じ。弘前劇場を見慣れた目には、人物たちがデフォルメされた感じなのが少しびっくりします。 それでも、最初こそ落ち着かない感じはありますが、徐々に引き込まれていく感じがします。

    終盤に示されるサゲが芝居の印象を一変させ静かな終幕に繋がります。あれよれよという間にすっと収まってしまうものだから、何が起きたか理解できなかったのですが、じわじわと効いてくる感じがします。

    ネットだのblogだのという単語が、ちょこちょこと現れるのですが、この空気感には少々馴染まない感じがします。が、静かに想いを呟く装置、という扱われ方であり、小説を書く女が物語を育んでいる場ということなのかもしれません。いわれてみれば、この世界やけに狭い人物関係だし。

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    【芝居】「絵空事を描いた父」壺会

    2007.2.17 19:00

    三人の女性の劇団、壺会の新作。静かに終焉に向かうファンタジー風。100分、19日まで王子小劇場。

    静かで平和、しかし愛するがゆえに獣や鳥、人魚や刺青女という醜い娘を造り、閉じ込める父。自由を求めて父を殺し、外へ出る。

    階段状に積み上げた舞台。手前側に現実、向こう側にファンタジー的な領域の原則。動きは少なく、むしろ動かさないようにしている感じすらします。力のある女優を封印しているような。

    父と娘たちだけの平和な世界。が、父は殺されて登場しません。平和がゆえに泣く方法を知らない娘たちという属性は面白い感じがします。死を理解出来ないまま、泣き方もわからない、それが自分たちにゆっくりと迫っていく時間は徐々に緩やかに、静かです。たった一人現実の世界の人間の造形は少し浮いた感じになってしまうのですが、苦労するところ。ファンタジー側の双子、とくに内海詩野は安定した力を見せます。

    人魚姉妹の早い台詞を例外としてまるで詩を読むような静かに流れる全体。女たちの間合いの会話。様々な要素がありますが、物語自体は殆ど動かない空間では、アタシは舞台との向き合い方に戸惑うのです。

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    2007.02.17

    【芝居】「カナリアの唄ヲ聞ケ」ハイバネカナタ

    2007.2.17 14:00

    アタシは初見です。言葉の力と翻弄される作家の話。105分、19日まで明石スタジオ。

    殺人の容疑者となったのは、最近は鳴かず飛ばずの作家。作家は否認するが、マスコミは騒いで…

    語りたい言葉を聞いてもらえないうちに失ってしまい、世間に売れる言葉に追従する作家。言葉を扱うプロゆえに言葉に挫折し言葉に翻弄されるということを真面目に描こうとしていることはよくわかります。「世間の声」なんてものがマヤカシで、そんなものは実は無いことを裁判という場を設定しながら明らかにしようとしていると思うのです。

    根幹は決して複雑な想いというわけではないのですが少々見えにくい感じもします。 内面的なことを追求しようとする単調さを回避しようとしてか、外側にドラマを置こうとしたりしてるのですが、もっと本筋が力を持って浮かび上がってほしい気も。

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    2007.02.16

    素早い変化

    CoRichについて批判めいたことを書いたのはほんの少し前なのですが、あっという間にリニューアルになりました。トップ画面に「ただいま上演中」が追加されたりして、アタシには嬉しい改善なのですが、一般的に誰もに使いやすくなってるのでしょうか、と思ってしまう小心者のアタシです。「もっと見る」の先の検索がちょっとおかしな挙動(来週で検索しても「ただいま上演中」になるとか)したりしてますが、早晩治るでしょう。

    このフットワークの軽さがイマ的だと思うのです。どこかで要望すると、試行錯誤ではありながら反映されていく。blogがなくても、問い合わせフォームもありますし。

    公演登録数は確かにペースが上がっているようで、アタシが観たいなと思った芝居は大抵登録されている感じになって来ました。登録するルーチンワーク的作業自体は、アタシはキライじゃないので、これはこれで寂しいのですが、まあ、いい方向です。

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    2007.02.14

    定額制。

    ケイタイのパケット定額にはまり込んでるアタシですが、芝居も年間定額というシステムを取るところが結構出てきています。

    文学座のY会員とか、俳優座の後援会

    青年座ユース会員などの新劇系の劇団ではよく観られますが、劇場が行うというのが最近の傾向。劇場がある水準を担保してくれると言う意味でセレクトショップ的で楽しめます。

    こまばアゴラ劇場の「劇場支援会員」のシステムは1万円で7公演のほか、3万円で全公演(今年からは何度でも)というシステム。あたしも過去2年ほど入っています。年間ラインナップを先に示してはいるのですが、06年度は冬のサミットがダンス中心という、アタシの興味からは外れたラインナップにされてしまったのでちょっと悲しい。今年は芝居で組んでくれるだろうか...

    王子小劇場がこの4月から始めるのも同様の支援会員システム。25名限定で年間2万円。利用団体への使用料減額としてするシステム。公演ラインナップは示されていないけれど、王子小劇場が審査することが明記されていて、劇場への信頼で回すシステムのようです。定額ではありませんが、横浜未来演劇人シアターサポーターズクラブとして7枚/1万円のシステムを立ち上げるようです。

    芝居ジャンキーなアタシには元取れるかと思うのですが。さて。

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    2007.02.13

    【芝居】「繭文」黒色綺譚カナリア派

    2007.2.12 19:30

    アングラ・耽美が得意だった黒色綺譚カナリア派の新作。作家と女性と家族を巡る骨太で見せる、全く新しいテイスト。115分。13日夜までザムザ阿佐谷。

    七人兄弟の子供たち。長男は壊れ、長女は嫁ぎ、次女は切り盛りし、三男は酒に浸り、三女は派手で四女は子供のままで家からでない。小説を書いていた次男はそれを観察し、多少の悪意を持って日記に書き留め。実は出版もされ。見られていることを意識し、後ろ指さされないようにして。
    向かいに越してきた家の餅まきに出かけ、その後やってきた娘に次男や末娘が馴染むが、勝手に上がりこまれて次女は面白くない。

    アングラ的な見た目は残し、七人兄弟なんて背景は現代の芝居としては成立しませんから、昭和な空気の舞台。しかし描かれているのは作家、とくに女性が何かを書くことの気迫と背負っていること。自意識過剰もあるし、苦しい生活もあるし。

    話はまったく違うのに、なぜか頭に浮かぶのは「頭痛肩こり樋口一葉」なのです。多少のオカシサはあっても生活できるし、背負ってしまうのも、面倒みなきゃと思い込む流れでそう感じるのかもしれません。

    幾重にも積みかさなる物語は、あまりに過剰な感じがしなくはないのだけれど、隙のない物語を構築しています。笑いはあまりあるとは言えませんが、目が離せないように展開していきます。

    こんなにも若い作家がアングラ的な芝居なのが珍しくはあったのだけど、それが必ずしも芝居の面白さに繋がらないのが弱点だったのです。今作では、時代の風景こそ昔風ですが、オンナの自意識過剰を描くのは、(本谷有希子的な)地に足がついている安定があるのです。

    終幕近くの赤い布のシーンは実に美しい。その中で行われる、仲間に入りたい気持ち、入って安心する気持ち、あるいは決まりにハマルことの安心と退屈が短い時間で提示されるのです。芝居的で楽しめます。

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    2007.02.12

    【芝居】「地獄でございます」MONO

    2007.2.12 14:00

    京都の劇団、MONOの2年ぶり東京公演。地獄に送り困れた男5人の話、100分。三鷹市芸術文化センター星のホール公演は終了。大阪、愛知、岡山、福岡、北九州を巡演予定。

    全体に青色で統一されビールやソファが置いてあるサウナのロビー風の場所。サウナに入るために迷いこんでくる男たち。
    独り言ばかりの男、出張途中の同僚三人、正義漢だがうざったい男。
    先にあるサウナはあまりの熱風で進めず、入ってきた入り口は塞がれていて戻れず、5人は自分たちが死に、地獄に送られたのだと知る。時代もながれ、地獄には落とされるのではなく自主的に…

    とぼけた笑いをベースにして、集団というか場に集った人々の互いのパワーバランスを絶妙に描くのです。

    三鷹市芸術文化センター星のホールという劇場は客席が平らなのにやけにタッパがあって、かなりの劇団でもスカスカになりがちなのですが、たった5人の芝居だというのに空間をしっかりと隅々まで埋めていくのです。あたりまえのように見えても、これが出来るってのは実に凄いことなのです。

    自転車に乗っていてひかれた男とひいた男、事故の原因を作った男や、やってる行いの酷さなど、少しずつ明らかになっていく事実が5人のパワーバランスをがらがらと変化させていくのです。かといって、緊張を強いるのではなく、いい意味でヌルく脱力していく感じの空気は貫いていて、しかも客席は終始笑いに満ちています。

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    【芝居】「明日にかけるはし」マルハンクラブ2

    2007.2.11 19:00

    半海一晃・兎本有紀のユニットの三本目新作はハワイアンに乗せた人情をめぐる話。110分。12日までTHEATER/TOPS。

    特産の割り箸を手作りでブランドにしようとしてる山あいの町。小さな町工場のひとつ。ホテルマンを辞め父親の工場を継いだが、才覚なく借金が膨らんで立ち行かなくなりかけている。兄弟親戚子供たちも良く助けているが才覚のなさは如何ともしがたく…

    物語というよりは空気とちょっとした話。物語を運ぶためにも、想いを語るための言葉も少ない。ヌルいのは間違いないのです。多くは語らず、しかも駄目な男の想いと周囲の想い。妻だって離婚してしまってるのに工場に通ってくるし、才覚のある弟はキチンと工場を支え続けています。  誠実ではあるけれど商才はない兄と喧嘩したり尻を叩く中でやがて醸し出される暖かい空気。かと思えば、はかない恋心と奇蹟のような出来事がちょっと起きたりもします。

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    2007.02.11

    【芝居】「正しい街」飛ぶ劇場

    2007.2.11 14:00

    北九州の劇団、飛ぶ劇場の東京公演。元体育館らしい場所に設えられた特設の舞台でたったの二日間のプレミアム。にしすがも創造舎での公演は終了。135分。

    小さな街、神の左手だという御神体をいただき、俗世間からは孤立して暮らしていた。豚が死ぬなどの災いが起きるが預言者は試練なのだという。余所者の女が地図調査だといってやってきて…

    中央に横に長い舞台を挟み、向かい合わせの客席で挟む構造。役者たちがその両側で待機する構造。天井が高く解放感のある会場。対して物語は閉塞し続けてきたコミュニティが、ゆっくりと内部から崩壊する様子。結局のところは男女だったり嫉妬だったりという感情を断ち切ることが出来ない姿。

    現実のカルトや閉じた国の姿を目の当たりにしているアタシには、物語が描く世界は奇跡が起こるだけ牧歌的にすら感じてしまうというのが素直な感想だったりします。そこの向こうに何が有るのかが見たい気もします。

    小さな鳴り物を使って虫の声など、空気を作るのは効果的。なぜか乾いた感じを受ける照明や、終幕で広い空間が闇に沈むかんじは美しく印象的です。

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    【芝居】「ぬけがら」横浜未来演劇人シアター

    2007.2.10 14:00

    舞台芸術家を育成しようというプロジェクトの旗揚げ。文学座が2005年に上演した岸田國士戯曲賞の「ぬけがら」を140分で。溢れる想いを緻密に見せながらも、エンタメ的に楽しかったりして、時間の長さを感じさせないのはさすが。12日まで相鉄本多劇場。これからご覧になるならばやや上手側の方が見やすいかも知れません。(下手側の見えづらい席は潰してありますが)。

    母親が亡くなった数日後。認知症気味の父親と息子。浮気がきっかけで仕事を失った息子に愛想を尽かし、妻は離婚届へのハンコを迫る。蝉の鳴き声がうるさい夏の日、父親が若返って..

    ハチャメチャSF的なあり得ない枠組みを物語の外側に持ちながら、若返っていく過程がまるで退行療法のように想いが深化していきます。観客も同じようにその時間の流れの逆行に身体を任せながら、取り込まれていくのです。記憶は残りながら姿と考え方だけは若返っていくというのはある意味タイムスリップものなのだけど、それがずらりと並んで示されることで、まるで四次元から三次元の世界を覗いているような不思議な感覚にとらわれます。

    父親の姿を主軸なのは間違いないのだけど、アタシ的なツボは、妻と浮気相手の対峙するシーン。ことさら声を荒げたりはしないのだけど、ものすごい火花が散ってるようなスリリング。ノースリーブにするというだけで、こんなにも色気を見せることが出来るというのがこんなにも効果的に。おもねる感じだったり、憤慨する感じだったりと変化自在で楽しめます。

    老若男女を問わず、舞台を見慣れない人でも楽しめること請け合い。なんせ前売りなら2000円です。 横浜で立ち上げられた舞台事業、さまざまな企みがあるようですが、最初がこのクオリティ。楽しみなのです。

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    2007.02.10

    【芝居】「UFOcm(ユーフォーセンチメートル)」あひるなんちゃら

    2007.2.9 20:00

    ヌルい会話や笑いが持ち味。初日は少し固い感じですが、静かなのにおかしい世界はキチンと。70分。12日まで王子小劇場。

    広場でUFOを呼ぶために集まる人々。真ん中の女はかつてUFOを呼んだことがあると言い張る。数日前から広場を通る人々がそれぞれに呼びたい気持ちあったりして。

    UFO呼ぶと言い張る人のおかしさから出発しながら、背が急に高くなった女やメルヘンものが見えたりする男。与えられた役割やルールで暮らしてるのだけれど、少しずつオカシイ街の人々。他から来た男が観客の視点に近いのだけど、彼の目から見た世界を描いているわけではなくて、公演の風景を描いている雰囲気のつくり。

    ミステリーサークルのクダリ、常識の無い女の背景など細かなネタがアタシは好き。理系的な「単位の話」とかも微妙にツボ。。が、おかしな人が沢山出てくることがショーケース的で関係とか物語を紡ぐ感じにならないのが勿体ない気もします。特別だと思ってた人が特別でないということに気づいたり、自分が特別だと思いこむというのは誰もが通る道なのだけど、それを何かの教訓めいた感じに見せないで、まんま提示する世界が少し気持ちいいのです。

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    2007.02.08

    CoRichがほぼ2ヶ月。

    CoRich舞台芸術!」βがスタートして2ヶ月が経ちました。(2007.2.12追記)

    アタシは結構楽しんで使っていますが、「使うシチュエーションがわからない」「感想を登録するのが結構面倒」なんて声なき声も聞こえてきたりします。たしかに、引き合いに出される「えんげきのぺーじ」の一行レビューに比べるとシステムが高度な分だけ、使いかたがわからなかったり、妙に重かったり、感想を書くのに手間がかかったりします。

    だから駄目だというのは早急に過ぎます。まだたった2ヶ月ですし、頻繁にシステムを見直し改善しているようですから、ほんとうに期待しています。肩を並べられるレベルのシステムは他にないのも事実です。

    期待感を持っているのはアタシだけではないと思います。たとえば、 この方の分析は的確で、サイトの特性をよく解説してらっしゃいます。

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    2007.02.06

    think C。

    もうプログラムってのを書かなくなって10年ほど経ちます。最後に書いたのはバッチファイルだか、awkだかの仕事でちょっと使ったフィルタが最後。javaとかjava scriptだとかRubyだとか、あるいはAction Scriptだとかもうちょっと使えたら、人生少し違っただろうなぁと思わないこともないのですが。

    自在に使えてた、という感覚があるのはHyperScript、BASIC(構造化以前のやつだ)、PASCAL(大学の実習用だった)、C(標準入出力止まりですが)ぐらいまでで、あとはからきし。CはBDS C(8bit処理系用だ。古いねしかし)とか、Think C(Mac用だった)なんてのが懐かしい響き。で、Think C。繰り返し書いてる著作権の話、「著作権保護期間延長問題を考える国民会議」が名前を変えて「著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム」となり、略称として「think C」になりました、というのを耳にして。そんなところまで想いを馳せてしまったりするのは、あたしだけかしらん。

    連休を含む週末はさすがに公演数も多くて、いろんな意味でやばいです。

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    2007.02.05

    【芝居】「12 twelve」SHOW-GOプロデュース

    2007.2.4 18:00

    役者・鈴木省吾と、演出・和田憲明のプロデュース公演の二回目。映画「12人の怒れる男」を原作とした陪審員たちの密室劇。110分、THEATER/TOPSでの公演は4日までで終了。

    少年の父親殺しの裁判、12人の陪審員たちが密室に集められて票決を行う。誰の目にも少年の有罪は明らかに見えたが、陪審員の一人が無罪を主張して…

    映画でよく知られた名作を、女性を入れたりと少し手を加えたものの、殆どそのままに舞台に。緊迫感溢れ、スリリングなパワーゲームもきっちり見せる魅力があります。が、映画も圧倒的な力がある話なわけで、この舞台だけの力とは思いづらいのが厳しい所。役者はまんべんなく確かな力だし、2時間弱の間ほとんど舞台から姿を消さないまま、しかも怒りの応酬が続き取っ組み合いまでに至っては、こんなに役者に緊張感を強いる舞台なのは間違いないのです。

    中坪由紀子がイノセントな魅力。鈴木省吾が理知的なポジションを。俵木藤太の血管が切れるのではないかと思わせるほどのテンション。

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    【芝居】「シフト」青年団リンク・サンプル

    2007.2.4 15:00

    青年団の松井周のユニット。青年団リンクとしての旗揚げにして次回は独立とか。相変わらずの狂いっぷりを堪能する110分。4日までアトリエ春風舎。

    東京で出会って結婚することになった二人。妻の故郷で暮らすことを承諾する夫。妻は子供を作ろうとせず、同居する伯(叔)母に夫の関心を向けさせ、いわば「種付け」を強要させようとする。 かつて隆盛を誇った家だったが復興の切札のために、伝説の「白子様」授かろうとするが、長年の近親で交わる閉じた社会ではうまくいかず、東京で娘が出会った男の血を入れて「汚す」ことに血眼になる。

    今どき(多分)あり得ない風習を持った田舎を設定しています。そこにはリアルはほぼありません。が、人物たちの 行動する規範が彼らにとってそういうものならば、そこにあるのはリアルなのかもしれません。 今の自分の価値観から眺めて彼らを笑ったり切り捨てたりするのは簡単なのだけど、自分が少数派の中でいき続けることの厳しさと脆さが露呈する終幕近くが可笑しくてちょっと好き。つまり、都会から来た夫はその風習に抵抗し続けるのだけど、終盤、相撲という名の乱交の輪に入れてもらうとアッサリ取り込まれたりするあたりで、集団に新参者を取り込む過程を目の当たりにするスリリング。

    その風習を堅固に守っているように見える彼らでも、ショッピングセンターは身近に迫り、女が土地に縛られるのに疑問を持ったりということなど、時代の流れへの少しずつの変化も作家の醒めた目線が見えておもしろいのです。

    ある社会の問題を解決するための方策(この場合は家の復興の奇跡をうむ「白子様」)が集団に必要とされる時の理不尽なこと。女は産む為の道具(大臣の発言がリンクするのは出来すぎた偶然でしょうが)とされ、役割を終えた女は(社会は養いはするし、ここ一番の発言力はあっても)、普段は認められない存在に描かれます。社会が彼女たちに仕打ちしてきたことの酷さ(これも、観客の居るこっち側の見方ではありますが)。

    家庭の中で孤立してる姉と、夫の職場の上司は中盤まで意味合いの分からないポジションなのだけど、現代のこんなとっちらかった寓話を収束させるためには、必要な超越する存在。まさかこんなやり方とは。神なるものを絶対のモノとは出来ない日本の土壌にはあった超越のさせ方が面白いのです。

    青年団の役者で、あからさまに性的な話というのもちょっと面白かったりします。辻美奈子はほとんどコスプレ状態ですが、これも芝居の面白さ。石橋亜希子は若いのに、女を超えてしまった存在感を見せます。

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    2007.02.04

    【芝居】「肖像 オフィーリア」Ort-d.d

    2007.2.3 19:00

    東京国際芸術祭のオープニング企画。重要文化財の自由学園明日(みょうにち)館講堂という希な場所が魅力。膨大な引用をコラージュして少女と時代と死を描くのだとか。可能ならば引用の予習を。100分。4日まで。

    当日パンフによれば、二つの物語。一つは太宰治「新ハムレット」を中心としたハムレットの登場人物達のストーリー。もう一つは太宰治「女生徒」、如月小春「DOLL」を組み合わせたミッションスクールの物語。他にも、夏目漱石「草枕」、志賀直哉「クローディアスの日記」、太宰治「待つ」などからのコラージュになっています。

    引用とコラージュという構成は、元のモノをあるていど文脈を含めて知っているかどうかで面白さが随分違う気がします。あたしはこの手の小説はすっぽりと抜け落ちていて、そのコラージュを見せられても部分部分は面白くても一本の物語として感じ取ることが出来ませんでした。アタシの教養不足が露呈。もっとも、上記公演リンクから辿れるプレスリリースや、インタビューなどにはくどいほどコラージュ構成であり、参考テキストが挙げられているわけで(で、結構青空文庫で読めるわけで)、作る側も意識的に事前に伝えようとはしていてその点では誠実です。もいちど予習してから雪辱戦を、と思ってもアトノマツリなわけですが。

    女生徒が傘を持って出て嬉しく思う気持ちやら、駅で誰とはなしに待ってしまう女の話(待つ)などのコラージュがアタシは好きです。適度な、かしましさや艶めかしさもあって楽しめます。もっともテキスト自体は引用だと思うのですが。俳優の力に圧倒されるという点では、山の手事情社の三村聡や元・山の手事情社の村上哲也はぬきんでている気がします。

    自由学園明日館という場所は重要文化財で、フランク・ロイド・ライトの設計でここを見ること自体も価値は歩きがします。(見学は随時可能なようですが。)確かに魅力的な空気感を持っている場所で、この場所で少女の話を上演するというのはいい企画です。

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    2007.02.03

    【芝居】「Black Jack Pizza」仁3プロデュース

    2007.2.3 15:00

    俳優・小高仁のプロデュースユニットの男三人芝居。奇妙な感覚を楽しむ60分、4日までOFFOFFシアター。

    3つ並ぶ便器。それぞれの個室に隠れる男たち。教師の彼らは散弾銃を持ち込んだ生徒から身の危険を感じて隠れている。彼にしてしまったことを振り返ったりもしながら…

    当日パンフで作家の語る通り、ボーリング・フォー・コロンバイン的に荒れる学校、抑えられない教師たちの姿がベース。学校の職員用トイレのようだが、話が進むうちに、ピザが宅配されたりして別の場所ではないかと思わせたり、三人ではないのではないかと思わせたりと不思議な空間になっていくのです。物語というよりはある男の置かれた状況を印象として描いている感じ。物語を期待すると少し違う感じがします。

    酒が好きなアタシですが、例えば微妙な力関係の呑み会とかでは、大した量でもないのに嘔吐するぐらい酷い酔い方することがある、そんな事を思い起こさせます。個室に籠りピザを食べ続ける男の姿は、こびりついて離れない事件の与えた傷の深さを感じさせます。

    なぜか1日に1ステージ。見たら納得、確かにこの芝居を昼夜やったら大変だなあと。

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    速報→「えっと、おいらは誰だっけ?」キョードー東京+Me&Herコーポレーション+ネビュラプロジェクト

    2007.2.2 19:00

    イギリスの有名な喜劇作家・レイ・クーニーの息子、マイケル・クーニーの代表作とか。中劇場クラスの魅力的な役者達を揃えてのプロデュース的公演。15分の休憩を挟み135分。4日まで青山円形劇場、来週に大阪・シアタードラマシティ。

    夫婦が暮らし、二階を男に貸し出している家。夫は失業を妻に話せずにいて、住人を水増しし、社会保障手当を不当に得て暮らしを立てていた。ある日、実態を調べるために調査官がやってきた。あまりに支給の多いこの家が怪しいと考えて来たのだが、夫は同居人や親戚まで動員して誤魔化そうと考えて..

    嘘が嘘を呼ぶというのは、喜劇の基本的なフォーマット。現代の日本で言えば三谷幸喜とか。嘘はついていてもそれは何かを守るためだったりして本当の悪人は居ないというのも共通している感じがします。人の死を笑いに結びつけて居ても、ホントに死んでる人は居ないというのも、欧米な感じのシットコム。翻訳は正確なのでしょうが、日本語だけを聞いている限りは、駄洒落も多いのでしょうから、翻訳自体もかなり大変なのでしょう。

    小・中劇場好きなアタシとしては豪華なラインナップな役者たち。当日券でなんとか潜り込みましたが、ほぼ満席の客席。笑いが絶えない客席は、そこに身を置くことが幸せだなぁと思う会社帰りなのです。

    芝居そのものでいうと、綾田俊樹の演出は東京乾電池のニオイがそこかしこにあります。スロースタート、脱力したテンションはペーソスの溢れる東京乾電池の年嵩の役者たちならばともかく、それよりは若い役者たちには得意な方法とは違うワザを要求されている気はします。演出の色と役者達の魅力が微妙にずれている感じは受けますが、それでも終盤にとぎれなく客席に笑いを起こさせるのは、それがたとえ役者たちのチカラワザだったとしても、こういう芝居は王道だなと思うのです。

    もっとも、實川貴美子・村岡希美・峯村リエという女優(もう一人の女優・江口のりこは多分初見です。)にファンなアタシとしては、その違うところの魅力が普段見られないところも楽しみのうちなのですが。あんなスカート・ピンクな實川、常識的な妻と言う役柄の村岡、もっとも体制側で統制をする側の峯村など、他では観られない魅力が炸裂するのです。

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    2007.02.01

    視覚障害のための時計。

    1万円ぐらいなのに、3年越しに買おうかどうか迷っていて、先週末に購入したのが、腕時計(シチズンクォーツ CAL.6029)。消費税がつかないのは、非課税の特例なのです。

    なぜかメーカのサイトでは見付からないので販売店のリンクを。つまり、視覚障害の方のための時計。普通は音声時計がいいと思うのですが、指触式という指で触って時刻が確認できるという時計を買ったのでした。

    おかげさまで今のところ、視覚的に困ることはないのです。アタシの普段使いの時計は携帯電話で日常的には困らないのですが、劇場で携帯電話を付けっぱなしには出来ないわけで、そんなときに使える時計を探していたのでした。芝居が面白くないから何分経ったか知りたいとか、そういうわけではなくて(^^;)、開演時間が何分押したか、知ってみたいなと思ったりして。

    印刷された取扱説明書には絵が一つもなく文字だけ。添付されている点字の取説では当然絵は示せないわけで、二つの取説がきちんと一対一に対応してるのだなぁと思ったり。

    とはいえ、まだ劇場では試していません。今週末どこかの劇場で試してみたいなぁと思っているのです。

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