【芝居】「7の椅子3」
2007.1.28 14:00
短編3本のオムニバス。シリアスな話にもセンスいい笑いを潜りこませて楽しませる力。劇場MOMOでの公演は終了。110分。
キャバクラの店長が大金を持って行方をくらませた。仲のいいキャバ嬢が実はロッカーに匿っているが、店長が言うにはマネージャーの奴隷のような人生だといい「右の心臓」。
借金のカタに臓器を売るはずだった女を逃がしたとして、チンピラに責め立てられる男女。彼女にも借金があって今回の仕事で借金が棒引きになるはずだったのだが、代わりにどちらかの臓器でもいいと劇薬を渡され…「ある決断が必要とする正確な時間を」。
10年ぶりに帰ってきた格闘家の兄は全身整形と性転換で女になって帰ってきた。身体の弱くなった父には話せないと、妹弟はとっさに嘘をつく…「Lying,Lied,Lie again」。
「右の〜」は普段気が弱くてマネージャーのいいなりの店長には、鏡の向こう側に彼の望みを叶えてくれるもう一人が居る」というサスペンスSFの仕立て。細かな笑いを取り混ぜながらもタイトな作りで息をつかせぬ感じ。一人が二人に分裂しているという設定を殊更凝った演出にしなくてもちゃんと見せるセンス良さ。
「ある決断〜」は、毒薬を自分に憧れた昔なじみの後輩に呑ませられる、呑ませるのキリキリとした選択を、「時間が戻る時計」という小道具一つで繰り返して見せるこれもSF仕立て。繰り返しを飽きさせないように二回目をギュッと圧縮してるのが見やすいのです。バーテンは時計の持ち主というキーでありながら、完全におかしな感じの道化がおかしくて楽しませます。
「Lying…」は三谷幸喜かと思わせる、「嘘が嘘をよぶ」典型的なドタバタコメディ。格闘家からどう整形しても彼女にはならんだろうという大きな嘘を冒頭で客に納得させてしまっているので、嘘が嘘を呼んでも、それが少々強引でも気にならないのです。
全体を通して、井口千穂のコメディエンヌ的飛び道具が炸裂。役者いずれもがそういうセンスある感じなので、安心して見ていられるのは間違いないのですが、今作においては役柄もあって、彼女は突出しています。
7の椅子「7の椅子
2007.1.24 - 1.28 劇場MOMO
作・演出 徳永勝仁
出演 福田英和 笹倉和樹 井口千穂 山口直子 山本亜希 徳永勝仁
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