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2006.10.14

【芝居】「アベベのベ」チャリT企画

200610131930

社会情勢に挑発的なタイトル、笑いをまぜつつ静かに違和感を描いてる気がします。80分。17日まで王子小劇場(佐藤佐吉演劇祭二本目)。

コンビニのバックヤード、ちょっとしたズルや、数十円の時給差の敏感、やるべきこと、しなくていいことあれこれのバイトたち。改憲の国民投票を控えた前日、丸かバツかで静かに揺れていて…

タイトルからして新政権に挑発的。今から5年後、生活は変わってないようにみえますが首相の目指す改憲への歩みは静かに固められていて、国民投票法なんてのが施行されていて。人々の生活は上向いてなくて、拉致の問題もいっこうに解決していなくて。 いよいよ改憲の国民投票の前夜、どうしたもんだろうと思う、○×をどちらにしようか迷う気持ちを明示的に芝居の背景に取り込みます。若者のビラ蒔きも賛成(反対も居るらしいが)だし、土井たか子の演説にミーハーな若者ですら微妙に改憲が正しいと思う空気。

国のありかたの問題を「美しい国」 (amazon---気持ち悪いから薦めたくはないけど。) なんて単なる美意識に帰着するような表現で論じ、それにあたし達をまきこむ危うさ。5年後がどうなってるかというのはよくわかりません。が、ありそうな世界。明示的には語られないものの、それをかなりバイアス(偏り)のかかったイデオロギーで、静かに描いている気がします。観ている側がどう考えているかで、この芝居の好みは分かれるとは思います。あたしはどちらかと云うと「おかしい」と思う側に今は立ってるのでキライじゃないのですが。

役者もなかなか見せますし、云ってることの中身の好みはあるにせよ、ちゃんと見せられるモノになってるとは思います。それでも惜しいと思うのは、いろんな要素が微妙にちぐはぐな感じをうけるからかもしれません。コンビニで起きてる矮小に見える問題と、国の行く末の問題が微妙にリンクしているようでいて、うまく相似形をなしていないのが勿体ないのです。店長候補とか肉まんレースなんて小技も見せてるのに、芝居の構造にうまくはまっていないというか。

あおり文句やチラシに比べると静かな印象はあります。とくに終幕近くはほんとに静かで、秋の夜長っぽく、少し考えさせるような幕切れは、あたしは好きです。

チャリT企画「アベベのベ」
2006.10.13 - 10.17 王子小劇場
作・演出 楢原拓
出演 松本大卒 伊藤伸太朗 内山奈々 高見靖二 米田弥央(カムカムミニキーナ) 三枝貴志(バジリコ・F・バジオ) 伊瀬尚子 熊野善啓 竹内洋介 楢原拓

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