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2006.10.15

【芝居】「遭難」本谷有希子

2006.10.14 19:00

前売りが即日完売。三島由紀夫賞最終候補(第18回, amazon) 岸田國士戯曲賞ノミネート、芥川賞ノミネート( amazon) だったりオールナイトニッポンだったりで人気急上昇。しかし、笑いの中に深い闇。当日券(見切れ)も20枚ぐらい出ているようです。120分、19日まで青山円形劇場。

古い校舎の一室。2年の担任たち四人だけがここに机がある職員室。毎日通ってくる生徒の母親、飛び降りて意識不明の重体になった原因は教師に渡した手紙の訴えに何も手を下さなかったからだ、という。が、それは度を超していて。担任はひたすら謝り、上手にあしらう女、ただ一人の男は男というだけで学年主任、観察し続ける女。が、それぞれに抱える問題もあって...

自分がどう思われているかについて妄想を重ねる作家の得意技が炸裂。笑いも多く、おかしな状態になっている狭い世界に観客をきちんと取り込んでしまう力。自分のことを悪いと自覚しないままに凄いことをやらかしてしまう、という状態のひと。アタシにとっても本当のところはわからないものの、友人によれば女の嫌な面を描いているのだといいます。人との関係について脅迫、泣き落としを使ってでも、からめとろうとしたり、それでいて醒めている冷徹さもあって。社会性の生き物だ、と云われる感じが実に細かく描かれていると思うのです。

松永玲子演じるほとんど悪人の女教師。どんな手でも使うし、何でもする。そこには理由があり、自分のせいではないと云うのだけど、誰かに言われたほんの一言を自分の全てを贖罪するように依存するのです。「マイナスの拠り所」とでも云えそうなそれは痛々しい姿なのですが、それを執拗に描く作家の闇は深いと思うのです。そしてそれは作家の得意技なのです。

松永玲子に限らず役者全てがちゃんと芝居している安心感。きりきりと細やかに作りながらも客席をちゃんと沸かせる力もあるのです。芝居が安定していて揺るぎない感じすらします。

舞台は四角形を斜めに置いたような。床の端を見ると崩れ落ちるような、壁には大きなひびが入っていたりと、ほころびを感じさせるのは印象に残ります。

劇団、本谷有希子第11回公演「遭難、」
2006.10.12 - 10.19 青山円形劇場
作・演出 本谷有希子
出演 松永玲子(ナイロン100℃) つぐみ 佐藤真弓(猫のホテル) 吉本菜穂子 反田孝幸(文学座)

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