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2005.03.27

【芝居】「フィラメント」上智大学卒業ユニット[シリカゲル]

2005.3.27 14:00

上智大学の演劇サークル、かんらん舎リトルスクエアの卒業生を核にした公演ユニット[シリカゲル]。山本文緒さんの原作をもとに等身大の彼らが、この瞬間に輝かせる瞬間の短編5本。28日まで昼のみ上智小劇場。

置き引きを生業とする女の独り語り「ブラックティー」、いじめられてる姉を救いたい一心の弟の「誘拐犯」、レンタルビデオ返し忘れから浮かびあがる「ニワトリ」、誰もが羨む玉の輿披露宴に見かけた顔「寿」、同棲始めたばかりの慣れない二人のちょっとした罪「百年の恋」。

軽快で力のある原作を恐らくほぼそのまま、だと思っていたのですが、原作と比べてみると微妙な差があるものもあります。(原作文庫本「ブラックティー」を買ってしまいました...) が、卒業するというこの瞬間を、「百年の恋」の最後の部分の抜き出して「純粋でもなく、賢くもなく、善良でもない」という視点で全体を構成し直しています。この輝きをみせるのは、彼らのこの瞬間しかできないわけで、まぶしい。そか、フィラメント(電球の光るところ)か。

原作との印象の違いが大きいのは「百年の恋」。男の視点で終始描かれている原作に比べて、(舞台では上演できないだろうシーンは削ったにせよ)最後に女の側の母性を印象づけるようなシーンが追加されています。これはこれであたしは好きです。「ブラック・ティー」も最後の警官を登場させないなど、原作のポイントを押さえながらも、実にシンプルに再構成していて、確かな力を感じます。

彼らが芝居を何らかの形で続けるのか、これが最後かはわからないのですが、ここに立ち会えて良かったと思うのです。

上智大学卒業記念ユニット[シリカゲル]「フィラメント」
2005.3.26 - 3.28 四谷 上智小劇場
原作 山本文緒「ブラック・ティー」  演出 坂本愛
出演  宮本彩音 枝重麻幸美 左官竜一郎 岩船祥子 三島可代子 久能木直裕
細川由香里

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コメント

予想通り、かわひ_さん的にはストライクだったようで。
このへんは「わかりやすっ!」な守備範囲ですね。
いつぞや話題になった“元・首相のお嬢さん”(ウソと判明)もご出演でしたね。
はい、現在の彼らが関心ありそうなことを、背伸びしないで描いてたのが好感度高かったです。

でも実際、大切なことでも忘れてしまう“ニワトリ女”と、どんな些細なことでも憶えてる
“ハードディスク女”(←勝手に命名)がいたとしたら、あたしゃ前者のほうがいいなぁ(大汗)

投稿: おくむら | 2005.03.28 16:08

わはは。ばればれですね。あたし。

んー。かわいい、という意味ではニワトリだろうと思いますが、基本的にはオンナノコ目線で書かれた原作も、芝居も、そのニワトリである「自分」をどう見つめるかって話だと感じてるのかと思います。あたしもそっち側で観ちゃうなぁ。

投稿: かわひ_ | 2005.03.29 02:04

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