2019.03.20

【芝居】「THE Negotiation」T-works

2019.3.15 14:00 [CoRich]

110分。大阪のあと17日までシアターグリーン box in box(中劇場)。

高級ホテルに集うビジネスマンたち。新興で勢いとブランド力を持つ業界最大手のCEOとCOO、片や老舗で資金力に勝る社長と秘書。合併交渉のテーブルだが、座る場所からハッタリまで、互いに負けられない緊張感で臨む。条件面はそれぞれに譲歩するべきところを譲歩し噛み合っているが、一点だけ、合併した社名、どちらの会社名を最初に置くかだけは互いに絶対に譲れない。

大きな企業のエグゼクティブな二組、緊張感溢れる企業エンタテインメントの「ガワ」にちょっと翻訳口調で赤毛物(古いね)風の台詞回しを少々大仰にしてコミカルに。交渉の時に日差しを背にして眩しさで交渉を有利にするかとか控え室の西日が不快でダメージになるとか、あるいは相手の虚を突くようにわけのわからないことを口走って攪乱するとか、些細であんまり得策じゃ無さそうな策を弄する人々を描きます。

そういうエグゼクティブ風の台詞、同じ会社の同僚でさえその「仮面」をつけたまま会話をするのだけれど、高級ウイスキーにウマっといってみたり、ハニートラップは自分に仕掛けられたのかどうかに拘泥したりと役の上での素の人間が見え隠れしたりして、ごく等身大の人が背伸びしているおかしさなのです。じっさいのところ、物語としては延々やったうえでわりとしょうもない着地点なので、結果として何も残らない(褒め言葉)コメディになっているのです。

老舗企業の社長を演じた三上市朗の重厚に見えて小心者の戸惑いっぷりが健在。秘書を演じた丹下真寿美は真っ直ぐにみえて訳判らない暴走の楽しさ。新興企業のトップを演じた山崎和佳奈もまたきっちりてるように見えてちょっと抜けてる感じ、ナンバーツーを演じた森下亮はすらりとしてカッコイイのにおかしい感じ。

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2019.03.17

【芝居】「仮面」小松台東

2019.3.9 18:00 [CoRich]

四人体制となった小松台東、少人数のキャストで通常の劇場公演とは異なるテイストを銘打つ"east"公演。70分。新宿眼科画廊地下。

元号が変わる恩赦についての説明会、講師の弁護士は到着が遅れていて人々が待っている。夫婦の二人は夫が犯した犯罪についてなのに夫は威張り散らしている。スーツ姿の男はごく丁寧で物腰が柔らかい。大雨が降ってから少し遅れてきた男は待つ人々に不躾な質問をしてたしなめられると政治家の息子でいい大学を出たのに現場仕事しかしてないとぼやく。男が気づいた向かいに座る女は元グラビアアイドルで男たちにはよく知られている。

観客もまた恩赦の説明を受けに来た参加者たち、という体裁。番号の付いたネックストラップが配られます。開演時間直後に客席で男女がちょっともめるような会話があって、観客席に座っていた役者の存在もわかって、待っている人々の会話が始まります。嫌な気分になるような不躾な会話、ときに言葉が乱暴だったりもして去りたいけれど恩赦の説明という大きな利益と外は大雨という2つの要因によって去るに去れないなかば閉じ込められた場所。

無難な会話の糸口というのが普通になるけれど、なんせ犯罪者たちだという自覚ゆえに聞くに聞けない重苦しい雰囲気で始まるけれど、遅れてきた男は無自覚にガサツな口の聞き方、頭はいいし家柄もいいのに他人への配慮を欠いて臨んだ職に就けないというサイコパス的、しかも本人は単に興味本位で恩赦を必要とはしていない人物を着火剤としてそれぞれの人物を描きます。

それぞれが犯した犯罪が何かということはなるべく隠した語り口で、むしろそれぞれの人物がどんな人かをあぶり出すのです。夫婦は夫がやたらにストレスフルで怒鳴り散らし、妻は黙って耐えつつ夫が心配でたまらないようだけれど、かつてはふたりとも役者を志しながら夫がそれを諦めたけれど妻はその道に進んでいるというアンバランスの中にあること。スーツの男はごく常識的で丁寧、食品関連の仕事できちんと仕事ができる男。客席に座る女はほとんど表情が読み取れないけれど、地元愛を持ちグラビアアイドルで傷害事件で。

それぞれの人物を描いたのち、閉じ込められた鬱憤が吹き上がる終盤、混乱の中。夫は食べる気持ちが抑えられないがゆえの食い逃げ犯、スーツの男は丁寧に見えて女に触りたがり痴漢としての姿、グラビアアイドルだった女は男を蹴り倒して暴力的だったりと、それぞれが犯した犯罪が極限状態でいちどに吹き出すのです。そういう人物たちだ、ということだけを嫌な雰囲気をまといながら丁寧というよりは事細かに描き出すという印象の物語は小さな劇場とあいまって、濃密なのです。

受付スタッフも役の一部を担うのもちょっと楽しい。

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【芝居】「思い出せない夢のいくつか」青年団

2019.3.9 16:00 [CoRich]

平田オリザの短編を集めた企画公演・平田オリザ演劇展の一本。ワタシは初見です。70分。アゴラ劇場。

列車のボックス席。若い女とスーツの男。もう一人の女はかつて人気のあった歌手でいまはそうでもないけ れど、付き人とマネージャーの三人で旅回りをしている。女は芸能人と結婚していたが今は分かれて独身。かつてはいろいろあったけれど、続いている旅。家族でなくても一緒に居続けるとどこか似るのだろうかとか、他愛もない会話。穏やかに会話する人々だけど、何らかの関係があったりもして。

三人の役者だけれど、タバコや買い物など小さな理由で一人が席を外すシーンを挟みます。たった三人しかいないコミュニティなのに隠したいことがあるという奥行きをつくるのです。とりわけ、歌手が席を外し、マネージャーが手に持ったリンゴを若い女である付き人に押し付け、齧らせるシーン、明確に男女の関係であることが示され、それは実は隠していることかもしれない、でもきっと歌手にもわかっているだろうとも感じられる、実に色っぽいシーンなのです。

「星めぐりの歌」を付き人が歌うシーンでは、マネージャーと歌手がうたた寝している間、夢か現かの境、生死の境を描いて「大人の銀河鉄道の夜」というファンタジーが香るのです。

付き人でいつづけていてもこのままではきっと先はない、と諭す歌手、後輩を育てることも含めての自分の力量の限界を口に出して後輩である若い女に告げなければならない瞬間を迎えること、ちょっと清々しい気持ち。

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【芝居】「サンカイ」やみ・あがりシアター

2019.3.3 16:00 [CoRich]

115分。3日まで。サンモールスタジオ。

同じマンションの部屋それぞれのできごと。離婚して実家に戻ろうとした長女は両親が離婚し実家を引き払うと聞き慌てるが、その日妹の飼っている蛇が逃げ出したと探しに行く。2階の若い夫婦は妻は夫のことが飽きたからと離婚を切り出している。3階には男が潜んでいる。4階の男女は別れ際、問題の多かった肉親を殺してくれたと互いに思い恋人になることに決めたのだと打ち明ける。5階のゲイカップルの別れ際、初めての同性の恋人を持った男が元のとおり異性を愛せるように直してほしいとすがっている。6階は同じ趣味の女二人のルームシェアだが、一人が宝くじを当ていつまでも依存していてはいけないと部屋を出て行く決心を話している。7階の水商売の女三人の同居、ひとりが恋人を紹介し家族のように盛り上がってほしいのに、酒に弱すぎたり酔って暴れてたりして話にならない。それぞれの部屋に蛇が現れる。

おそらくは上下に並んだマンションの同じ間取りの部屋。基本的にはそれぞれの部屋に住むそれぞれの「家族」が「散開」する独立した物語がベースに。それを「三階」に潜む蛇女が自在に上下を移動し現れ、それを冷徹に覗き見るのか、あるいは何かの示唆を思わせたりもしてゆるやかに縫い合わせるのです。

両親と娘の家族、若い夫婦、訳あり同棲の男女、ゲイカップル、ルームシェアの女たちなどさまざまなバリエーションで同居する人々が別れる瞬間の、それぞれの理由だったりそれぞれの慌て方だったりのバリエーション。物語全体の雰囲気はコメディで観客に突き刺さるというよりは箱庭のように眺めてる感じで気楽に楽しめるのです。

木下祐子がパワフルに大格闘というのは珍しくて楽しい。飽きた女、城田彩乃のずっと潤んだしかし、女でありつづける毅然さ。蛇を演じた川人早貴、美しく圧倒的な存在感は本当に印象に残ります。アル中女を演じた川口知夏はシラフと酔っぱらいの圧倒的なテンションの落差、狂気を孕んですら居てちょっと凄い。

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2019.03.15

【イベント】「ホーム」(月いちリーディング 2019/3)劇作家協会

2019.3.2 18:00 [CoRich]

劇作家協会が定期的に開くリーディングと戯曲ブラッシュアップのディスカッション。本編85分、休憩を挟んでディスカッション。

母親は離婚していて男手ひとつで育てた父親も亡くなり、一軒家に住む姉妹。27歳の姉には恋人が居るが結婚していいか迷っている。姉の高校生の頃の同級生とは今でも行き来があり駆け出しの女優や、恋人のないままこの歳となった図書館司書などが家に集まっている。妹の友人の留学生は同居しシェアハウスとなっている。

20歳台の7人の女性だけでの上演。浮気した母親が許せない妹を主軸にしながら、この年齢になってそれぞれの立場や悩みをさまざまに描きます。不倫で会社を辞めて外国に移住した元同僚、まだ駆け出しでチャンスを得るために性的関係を迫られる女優、父親からの性的虐待の傷によって男性を信じられなくなった同級生、誰とでも寝ることで安心を得る妹、あるいは韓国に生まれイギリス人の養子となった留学生のアイデンティティなど、そう長くはない上演時間にもかかわらず、たくさんの問題点をぎゅっと詰め込んだ物語。

初演は11年前だと言います。その時点でこれだけ整理された問題を抽出して物語として仕上げたことの着眼点と力量に驚きます。反面、上演を目指すブラッシュアップやリライトを目的としたこの場では、11年を経て今の時代でどう描くかというのは、その時代に紐付いた物語だからこその難しさがある、というのはディスカッションの場でも指摘されたことでした。ここで描かれた女性たちの問題は時を経てもなお何も解決してないけれど、その見え方は少しばかりステロタイプやセンセーショナルにすぎるところがあったり違和感を感じるところがないわけではありません。ディスカッションでゲストが示したのは、たとえば「その時代のもの」として固定して描くためにどの時代の話であるかを明確にするとか、あるいは現在の視点の登場人物を一人だけでも置くとか、もちろん、すべてをその時代の目で修正し続けるという手もあるように思います。

正直にいえば、数々の人々の悩みがショールームのように次々と示されて群像劇のような感じで、少しばかり前に進む感じではあっても、問題点を並べるというところまでに力点があるように思われて、見る側には少々消化不良を感じたりもします。それぞれの登場人物でそれぞれスピンオフができそうなぐらいに山のように属性と背景を持っているのです。

ディスカッションの場では、女子高生にこれを演じさせたら面白いのではないかという観客からの指摘。20代後半を中心に置いてもなお、さまざまな形の性暴力の問題を指摘し内包するこの物語を未成年に演じさせることを「面白い」と括ることばに少し驚くワタシです。違和感なのかセンセーショナルさなのか「面白い」という言葉の真意を掘り下げようと質問を繰り返したゲストの誠実さによって議論の場としてはなんとか救われた感。また、ディスカッションの観客からの質問では若い女性の作家に対して物語から少し離れ、戯曲のブラッシュアップとは関係ないように思われる、作家自身に踏み込むような質問が少し目立ったのも気になりますが、これもなんとか司会が軌道修正をしてなかなか議論の難しさを感じたイベントではありました。

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2019.03.14

【芝居】「ワンダーランド、跡地」遠吠え

2019.3.2 15:00 [CoRich]

3日まで王子小劇場。105分。

南の島、リゾートとして栄えた場所、鳥類園の大量のクジャクが飛び立ち消えた日から、ホテルは閉まり人出はどんどん減っていった。両親の残した旅館を改装して娘がシェアハウスにして大家として住んでいる。引きこもったまま出てこな女はクジャクを逃がしたと噂されている。別の女は子供の頃大家と同級生で友達だったのにある日突然居なくなった パン屋を開くために引っ越してきた男は店を探している。この家で飼われていて死んだ犬の姿が何故か見える。死んだ犬の供養パーティを毎年開いていて、住人の他、隣に住む男女よくこの家を訪れている。互いに軽口を叩くが女は記憶が失われつつある。<
人が突然消えることが頻発していて「ぽっかり」と呼ばれている。

リゾートだった場所が寂れていき、人も消えたりして徐々に消えゆくある場所。あるいは子どもの頃に目の前から突然消えてしまったけれど長い時を経て再開した友達、死んだのにその場に居続けてる犬の幽霊。ミステリーあるいはファンタジー仕立ての舞台設定だし不思議なことも起こるのだけれど、実際のところはちょっとコミュニケーションのぎこちない人々の共同生活、消えゆく町でゆるやかな死を待っているかのような人々の物語になっています。

子どもの頃、親友だと思っていたのに蜜柑を盗んだ翌日に突然姿を消した女だったり、大家に好意を寄せているらしい女は失いたくない気持ちが不器用に現れてしまう女だったり。そもそも時々人が消えたりと人が消えること、忘れることなどが物語のさまざまな場所にいろいろな形で姿を現すのです。物語としてとらえると、わりとバラバラに起こることが唐突な感じはあるので不思議な感じなのですが、そういう重奏低音みたいなものがずっと流れていることが物語の雰囲気を作るのです。

物語の語り部を兼ねる犬もまた、その消えること、忘れることを背負います。キャラクタとしては甲高い声でコミカルだけれど、物語をすすめるうちに消えゆく彼女の存在が愛おしいのです。演じたゆかりごはんはそのキャラクタをしっかりと背負います。

同じように消える、という意味では隣に住む男女の姿もまた、記憶を亡くしつつある女とそれを憎まれ口で会話する男の存在も同じですが、長い時間をかけて培った二人の姿はこの物語の中では奥行きを感じさせるのです。演じた谷田奈生と高山五月の造型の解像度は高く細やかなのです。

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2019.03.12

【芝居】「王国で殺して」ユニークポイント

2019.2.24 19:00 [CoRich]

ユニークポイントの新作、 75分。白子ノ劇場。ソワレ千秋楽だけどギリギリ終電に間に合うと気付いて。

小学四年生男児が交通事故に遭い病院に運ばれる。駆けつけてきた母親は医師が求めた手術の同意書に 対して輸血をするなら信仰を理由に拒否するという。

信仰を理由に輸血を拒否する母親と友人、医師たちを描きます。医師は優しく説得を試みたり、別の医師は助けるべきという強い意志を持ち。かつて事件となったあの時代よりも同意書の持つ意味は重くなり、絶対に動かせないものという位置づけの説得力は増しています。

後から現れる信仰の「兄弟」は仕事とは別に月120時間の奉仕など尋常ではないのめり込み方、さらに強固に、揺れる母親の心を強く信仰に留めます。 この動かしようのない枠組みの中で、作家はいくつかのフックをしかけています。一つはその兄弟の強い心の中に見える隙としての恋愛感情で、手を握り返すだけのことでもそれをふしだらなものと扱うことで強い信仰する心が揺れる瞬間を。 もう一つは外科医と母親それぞれの子供が同じ学校の同じ特殊学級に通うという繋がり。そういう子供であることを外科医は恥ずかしく思ったりこの子が居なければと感じてしまう瞬間があるのに対して、母親はその苦しさから信仰を手にして、結果として現在の母親には特殊学級ゆえの恥ずかしい気持ちは微塵なく、子供は自分の全てだと言い切るけれど一方で躾と称する虐待に躊躇がなく児童相談所が来ても同じことを言えるというゆるぎのなさがあるのです。

信仰ゆえに持てる強い拠り所は生きる原動力になるけれど、いっぽうでそれが一般の社会との間の齟齬がある場合に強く守りたいが故に暴走してしまうこと。今作の信仰は少なくともワタシには奇異に映るし、怖さすら感じるけれど、果たして医師やワタシたちの側は完全に正しいのかという問いかけに、ワタシはまだ答えを見いだせないでいるのです。

2019.2.24 19:00

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2019.03.07

【芝居】「走りながら眠れ」青年団

2019.2.24 18:00 [CoRich]

平田オリザ演劇祭の一本、ワタシは初見です。75分。

社会運動家・大杉栄がフランスから帰国して戻った伊藤野枝の家。別の女性との結婚が続いている中、同棲し子供もできて社会運動の同志でもある二人。

実はあんまり史実としての大杉栄は知らないワタシです。 アナキストとして過激な運動をしていた男でフランスへ渡りメーデーの演説によって逮捕され強制退去によって帰国した頃、同棲相手の女との二人の会話は、ごく普通のつましい暮らしをして子供のことを気に掛ける様子はごく普通につましい暮らしをする庶民の姿。

一方で運動についての会話だったり、あるいは「(ファーブル)昆虫記」の翻訳をする生活の様子は進歩的であって、高め合う同志という雰囲気を併せ持つのです。

史実ではこの芝居のあとには憲兵に連行され殺されることになるので、史実を知っていると、この平穏な日々の中に迫り来る不穏さが見え隠れするのかも知れません。

平穏な日々を描くけれど、たった二人の芝居、セリフは濃密かつシンプル。笑いの多い芝居ではないけれど、この濃密な物語をきちんと支える能島瑞穂・古屋隆太の力なのです。

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【芝居】「忠臣蔵・武士編」青年団

2019.2.23 16:30 [CoRich]

元々落語家・柳家花緑のために書き下ろされた新作落語でしたが、すっかり 青年団の人気演目になっています。さまざまなバリエーションの中で「忠臣蔵」の男性俳優だけで演じられる武士編( 1, 2)、55分。

武士なら元通りじゃないかというのはその通りですが、戦いの時代はとおに終わり平和ボケしている中でのお家の一大事、という状況をゲーム機やらおもちゃの刀やらという可愛らしいものを溢れさせシンボリックに作ります。

平和ボケしているから武士道と言われても実際のところよくわかなんないけれど、当主を亡くし相手の理不尽もわかっているからなんとかしたいという気持ちと、しかし暮らしていくために仕官を目指すべきだという気持ちの葛藤。いくつものパラメータが頭のなかで交錯し、混乱する中で方針を決める、という会議の物語。

しかし、実際のところ、優先すべきパラメータが曖昧なままですすめる会議は議論をしているというよりは、責任を曖昧にしたまま同意点を作り上げるというほうが近い。それは時に同調圧力であったり、茶化す感じであったり。

突発的な事故に限らず、方針をどう決めていくか。確かに日本人っぽく、「あるある」な雰囲気の会議の姿。さまざまなバリエーションが楽しいのです。

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2019.03.06

【芝居】「コントロールオフィサー」青年団

2019.2.19 20:30 [CoRich]

津あけぼの座開館10周年記念公演として上演されたゴルジ隊「つい。つい、うっかり。」の一編として上演された作品を青年団で上演。30分。アゴラ劇場。平日の遅い時間の短編はとてもありがたい。

東京オリンピック予選の水泳会場、試合後ドーピング検査のため尿検査が行われるが、尿が出るまで待つ男子競泳の選手とボランティアや協会から派遣され監視するオフィサーたち。

座って尿検査を待つ男たち。試合後なので、四人の間で順位がついています。軽々と余裕を持っていたり、勝ちたい気満々だったり、調子に乗っていたり。さらにはそこに、一人の選手の恋人が実は別の選手に奪われているという実に下世話で率直な人々のたわいない会話。その後ろに控えて立っている「コントロールオフィサー」たちはあくまでも仕事に徹しなければならないのだけれど、思わず笑ってしまったり、聞き耳立ててしまったり。

それはまるで、下世話でたわいない会話する人々をのぞき見ている世間の人々。物語を進める男四人たちの側から見える「世間の目」みたいなものの効果を生んでいて、ちょっとどくとくな空間を作り出すのです。

登場しない人物も含めて名前は、泊、大飯、志賀、浜岡、伊方と原発の場所の名前とか、いろいろあってアメリカもイギリスも来ないオリンピックになってるなど洒落っけとか批判的な視線とか。

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