2009.12.04

公演、集中しすぎ。

木曜日はブラタモリをリアルタイムで観てtwitterしなきゃと思うから観られませんが、今週はちょっと多すぎると思うのです。アタシ的にはあきらめる公演が沢山なのはものすごく多い。

公演重なりすぎの特異点。

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2009.12.03

速報→「In The PLAYROOM」DART's

2009.12.2 20:00

アタシは初見のDART'sの新作。開演は遅いけれどがっつり見応えある105分。6日までルデコ4。日曜日は満席近いという噂も聞きます。できればその前に。

ミステリー作家のファンの人々。それぞれに本を書店や宅配で期待のシリーズ最新刊を手に入れ読み始める。プレイヤーと名乗る犯人の残虐だがしかし手口とスピード感で人気のシリーズは6巻を数えている。
挟まれている招待状に目がとまり、謎に包まれている作家に会えるかもしれないという期待を持って渋谷の廃墟のビルに集まる。彼らを前に作家はスランプなのでファンを集めて物語を紡ぎたいという。プレイヤーから届いた挑戦状はプレイヤーが鬼となる鬼ごっこを、渋谷区の中に制限し60分の制限時間逃げ切ったら助かる、というものだった。

ミステリー小説的な語り口の序盤。その後は部屋の中心にテーブル置かれたを囲んだ役者はほとんど動きません。最初に全体に顔を見せる演出は、後半にかけてほぼ動かないこの芝居のしつらえでは正しい選択なのです。

徐々に参加者が殺されていき、作家は時間と可能性を確実に方向付けながら物語を運ぶ序盤。中盤までは殺されるシーン、あがく人々をきちんと描いていきます。リアルなシーンは一つもないのに、台詞と役者のちからで思わず泣かされてしまうような強さ。作家が方向づけ、適切に端折りながら疾走感を。

後半は、この世界の落とし前をつけるような流れになっているのは少々手垢を感じなくはないのですが、それでもきっちり嘘といくつかのサプライズをきっちり貫き通すことでちゃんと世界ができあがる凄みがあります。

劇場のあるルデコ×印を付けた渋谷区の地図が配られています。その中での鬼ごっこをおいかけながら楽しめるのは面白いのだけれどむしろ迫力があるのは、渋谷駅周辺、たとえばハチ公、東急百貨店、スクランブル交差点、宮下公園というあたりの細かな描写。 「12人の怒れる〜」につながるような密室劇風味の序盤がアタシは大好きです。笑いは少なめだけれど小気味よさもあって、ある種パラドックス定数のような緊迫感が楽しい。小さな椅子で入り口の側の最前列に座っても、お尻の痛さなんてものは感じないのです。

鈴木麻美は医者役がやけに多いけれど、アタシとしては「ドラマ進化論」の作家役が思い出されてがっつり。この座組でも声が圧巻なのは強み。川田希は、まるでラスボスのような最後の登場だけれどそこにしっかりと立つ力。探偵を演じた國重直也、作家を演じた服部紘二、編集を演じた島田雅之 の男っぽいがっつり四つも迫力。

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2009.11.30

速報→「ひまわりの花言葉」丸の内ストラテジー

2009.11.29 19:30

「演劇のできる飲食店」を目指すのだといいます。その心意気はちょっと買いたい。演劇で弁当屋、っていう団体もかつてはありましたが。60分。30日まで、中井・THIRD。カウンター前の低い机での芝居多く、最前列を。

海を隔てて文通していた同級生だった男女。突然途絶えてしまった返信に居ても立っても居られず日本に戻ってくる女。ほかの友人によれば高校教師だった男は両親を亡くして不登校になった少女の担任として悩んでいて。

バーカウンターを背景、机で手紙を書いたり、二人で呑んだりという構成。2009年の中井での来日した女を中心とした話と、2008年の横浜市(横浜、とだけ書いた方がしっくりくる感じがするのはなぜだろう)高校教師と不登校の女子高生を中心とした話を織り交ぜながら。

垣内勇輝(クレジットはないけれど北京蝶々)の描く 物語はごくシンプル。女子高生と教師がただならぬ泥沼、という話はかつてのTBSのドラマのような感じではあって、物語そのものがものすごく斬新という感じではありませんが、1時間という枠の中で描くにはこういうシンプルな物語で役者の魅力で見せる感じも、この距離なら悪くない感じ。

女子高生でもキャバ嬢でも十分通っちゃう長岡初奈、海を越えてきちゃう通地優子が魅力的。あまりに多くの公演の受け付けまわりで拝見すること多く、制作なのに一方的に顔覚えちゃってる安田裕美の役者っぷりも堂々としていて個人的に楽しかったり。

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速報→「その嘘に、リボンを」ビビプロ

2009.11.29 17:00 ビビプロの新作。15分押し。100分。29日までシアター風姿花伝。

資産家の男との結婚を控えて幸せいっぱいに見えた女だったが、暗い夜道で何者かに傘で刺され、そのショックで記憶を失う。犯人はみつからず関係者はそれぞれに怪しく捜査は難航する。

ポップな感じの素舞台に、張るような声、いわゆる楽屋落ちも含めて少々懐かしい感じすらする運び。正直に言うとリアルとも謎解きともファンタジーともコメディともコントとも違う枠組みがあって少々戸惑います。推理やサスペンスといった類に一見みせていますが、そこで勝負をするという感じではない感じ。

終盤で見えてくる記憶喪失の女のもう一つというか、記憶をなくす前の女の顔が明らかになっていくところ。作家はその豹変を描きたかったのだろうと想像しますし、あとから思い返してみるとわりと緻密にくみ上げていっている気はするのだけれど、その世界にどうしても乗り切れなかったアタシが居るのです。それは物語なのか演出なのかはたまた役者の力量に起因する物なのか、いまひとつ自分でもはっきりしないのですが。

物語からはずれた感じで遊軍という感じで動く伊藤淳二、浅見臣樹の大騒ぎっぷりは好き嫌いの分かれるところではありますが、アタシはこれ自体は嫌いじゃなくて、緩急をつけてくれているとは思いますし、瞬発力のようなものを感じさせます。とはいえ、あまりに骨格となる物語や役者との温度差が激しすぎて、むしろ異物感というよりはメインの物語にとって単なるノイズになる臨界点を超えてしまっている残念さがあります。

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速報→「ベイビーフェイス」鈴舟

2009.11.29 14:00

散歩道楽の太田善也の描く家族ものの圧倒的な強さの100分。次回予告編5分強付き。29日までシアターサンモール。

浜辺の見える酒屋を営む家。息子や娘たちはみな結婚している。ある日その主が全員を呼び寄せる。同居している長男夫婦はその意図を知っているが、口を閉ざしている。長男夫婦の娘ももう成人していて家をでていて、久しぶりに集まる。偶然、みな女たちは妊娠していて。

妊婦の不安不満、できちゃった婚、離婚の危機、仕事がみつからない、などさまざまな要素をもった妊婦と夫たち。そのどたばたっぷりの気楽に楽しめる序盤は次々ときちんと笑いをとります。プロレスで正義の味方を意味するベイビーフェイスを根幹に。子供のことを全力で守った過去のおもいでは、70歳になった現在でも歴然とやはり正義の味方なのだけど、やはり年齢は重ねていくわけで、その残酷な時間の流れはあまりに切ないのです。

もうひとつ、結婚を申し込みにきた男が偶然知った事実から、必至で家族をつなぎ止めようとする終盤のあたり。この波動的な泣かせ方は、太田節が全面にでていて、あたしの好きな物語になっているのです。こちらもドンキホーテ的ではあっても「正義の味方」なわけで、ベイビーフェイスに繋がります。

小難しかったり、いたずらに悪趣味だったりというのもキライじゃないのだけれど、気楽に見られて誰でも楽しめて、できすぎなぐらいにきちんと作られた物語は、実は昨今貴重なんじゃないかと思ったりもします。

苦労の末の妊娠、という夫婦を演じた二人。桑原裕子のキレっぷり、テンションが楽しい。振り回される感のある田中完もじつにいいコンビになっていて。実業家だけれどしあわせかどうかよく見えない夫婦を演じた二人。大谷典之は好きな俳優の一人、吉田久代も魅力的。女の間でもまれて居場所がない感じに佇む瓜生和成の絶妙。内海賢二の圧倒的な存在感。声だけの出演の筈の麻生美代子も予告編でちょっとだけ登場も嬉しい。

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2009.11.29

速報→「おまえのなみだはビールでながれてる」chon-muop

2009.11.28 19:30

chon-muop(チョンモップ)、仙川付近の場所から発想する物語。9月公演とblogに連携しつつ90分。29日まで、せんがわ劇場。

三ヶ月の旅行に出かけた主・友子に代わり留守番をすることになった女性、大町ヤスミ。blogを綴りながら、主を待ち、散歩を続けている。

9月公演では町の中野小さなカフェで出会った不思議な人々という風情だった物語は、今作、大町ヤスミが留守番をしている家の中を舞台に物語は進みます。間に挟まるスライド、日記はblogで使われているものそのもの。家に帰ってからblogを覗くとその世界がまたよみがえってきたりするのです。

雇用の不安定な状態の男と三ヶ月の旅行を提案したり、三ヶ月の研修に男を連れて行こうとしたり、あるいは大家の娘が来るまでの三ヶ月をどうするか考えたり。なぜ突然三ヶ月という期間を切って留守番を提案されたのかなんてことを、ぐるぐるぐるぐる。 友子と同居人や大家との物語を幾重にも描き出すけれど、それは記憶ではなくてどちらかというと想像の物語。男が三人入れ替わり立ち替わり、という派手な話かと思えばさにあらず。どこまでが現実でどこからが妄想なのかはどんどん曖昧になっていき、観客の立ち位置の足下は簡単に揺らいでしまうのです。

妄想と足下の揺らぎ、なんて簡単に書いたけれど、見ている最中はそれが明らかになるかんじではなくて、どちらかというと手がかりがすくなくて不親切な物語の運び。終演後に友人たちと酒を呑んで話してあれこれ巡らせる感じで生まれてくる感覚。一人で見たとしても、帰路で反芻しながら変わっていく感覚を楽しむという感じがします。

考えると、blogに書かれた「大町ヤスミ」なんてのはもちろん今回の公演のためのプロジェクトなわけで、実在しないのにそこに何かが作り出されて残っていく、という点で芝居とリンクさせる試みは面白いのです。

なぜこの場所に居たいのか、という台詞があって、最近の自分の状態とリンクして気持ちが震えます。どうしてもここに居なくてはいけない理由があるわけじゃなくて、動かなきゃという状態ではあるのだけど離れ難いこの気持ちは、理屈ではきちんと説明できないし単なる感傷かもしれないけれど、すくなくともアタシには確かに存在する気持ちで、無視できないのです。

9月に引き続きヤスミを演じた中村智弓はぼやっとした不思議な風情が役にリンクする感じで面白い。友子を演じた石井舞は三人の男たちそれぞれとの会話で喜び、はしゃぎ、時に言葉を呑み込み。誰かと同居したことなんてないアタシだけれど、だれかと一緒に住むことの楽しさと寂しさをしっかり。雇用に不安を抱える男を演じた大塚秀記は、アタシと年齢が近くて、しかも昨今の雇用なんてことを考えると、単なるファンタジーじゃない不思議な切迫感をもってアタシに迫ります。

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速報→「欲望貴族」角角ストロガのフ

2009.11.28 14:30

角角の新作。105分。30日まで王子小劇場。

未成年の犯罪は親が刑罰を受けるということになった近未来。学生の頃同級生をおぼれさせて殺した兄弟は、親にひた隠し、捕まることもなく15年が経とうとしていた。一方三姉妹の母親は15年前に「拾った」醜い男をつれて家を出て、その兄弟の家に住み込みで働くことにする。

ダイニング、寿司屋、個室、オフィスをてんこ盛りに舞台上に。さらに二つの家庭は同じ舞台装置を共有していて、まったく別の場所の会話が平行して進んだりします。それ自体はややこしいのだけれど、ああそういうことかと気づけばそれほど大きな問題ではありません。それでも物語そのものが本当に荒削りなままで、三兄弟の家庭と三姉妹の家庭の物語がうまく整理されないままに舞台に乗せられている感じ。決して見やすくはありません。

謎めいた醜い男の正体はわりと早い段階で見えてしまいます。リバース機構やらNB法やらの枠組みも、実際のところ時効が設定されたということ以上に効果をあげているとはいえません。ともかく角田ルミという作家が気の赴くままにすべて載せたものの総体としてその圧力というか迫力を受け取る、という方法でしか観客は落とし前をつけられない感じすらします。三回目公演になってそれなりに精度は上がっているとも思うのだけど、安定とはほど遠く。でも目が離せない感じなのは、きっと湧き出すように描いてるのだろうなぁという意味で彼女の描き出す世界をもうちょっと見たいという存在は希有だと想うのです。

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2009.11.28

速報→「骨のない男」ワワフラミンゴ

2009.11.27 19:30

さえずる感覚が楽しい。オトコをこの場に配置するのも確かなちから。55分、29日までルデコ2。 奥の部屋と手前の部屋がありますが、机の近くが床の芝居もあるのでおすすめ。奥の部屋でちょっとだけシーンがありますが。

机が一つ、椅子が二つ。この机や机の脚がすきな人々。骨がなくなったオトコの行方は知れない。レモンと名乗る女性二人、ケーキと名乗る女性二人、この机の場所がどうしても譲れなくて。

ルデコの中でも芝居にはあまり使われない二階。二部屋の間仕切り壁が固定されていて、芝居のためにはどう考えても使い勝手の悪い感じ。入り口近くの机をめぐる話。といっても、他愛ない短い会話が多くて、物語としての大きな流れはあまりない感じなのはいつものとおり。

金曜夜の客席はどちらかというと爆笑寄りの反応。個人的にはそこまで受けなくてもと思わないことはないのだけど、箸が転がってもおかしい、と考えれば、舞台の描き出しているオンナノコっぽさにあっている気もします。

ネタバレかも

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じわじわと

微妙な不安を抱えながら、どうしていくかなーとかぼんやり考えつつ。ふわふわした足下の感じはあるけれど、でも日常の仕事は回さなきゃいけなくて。今週末でリセットしなきゃなと思いつつ。ほんとは睡眠最優先、アルコール控えめにすべきなんだよな。こういうときはむしろ。

公演がどうにもつまりまくりの今週。行きたいのに行けないところ多数。どうしたもんだほんとうに。

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2009.11.23

速報→「おるがん選集秋編」風琴工房

2009.11.22 19:00

風琴工房の小規模の公演。役者がずいぶん入れ替わった今公演は横光利一と鷺沢萌(wikipediaうあ、年齢ほとんどアタシと一緒で既に他界)に原作を求め多少の脚色を加えて。脚本付き。35分+休憩10分+60分。29日までギャラリー日月(にちげつ)。わかりにくいどころか、入るのに勇気が要るほぼ民家の構え。開演30分前から駒込駅待ち合わせのツアーがあります。

病気の妻を看病する夫。長い時間が経っていて互いに疲れもでていて。しかし、離れない「春は馬車に乗って」(青空文庫)
"おっちゃん"が死んだので喪主として戻ってきた男。おっちゃんと住んでいた女はすこし妙な感じ。男の恋人との会話がそれにだぶりつつ「痩せた背中」。

駅から離れている元民家(しかも、ほんとに普通に古いだけの文化住宅風邪の外観)にあるギャラリー。夜はそれなりに冷え込みますが、暖房も完備(ガスストーブは暖かい)。それなりに時間があるので、その時間で楽に見られる場所を選ぶのが吉。後半の芝居はちゃぶ台を使うぐらいの高さなので、二列め以降を使うのは少々勇気が要ります。

「春〜」は台詞だけをみていると恨み言、嫌みの応酬のよう。見ているうちに互いが想う想いのあまりの深さに振り落とされてしまいます。夫婦の情愛があまりに深くて傷つけあう二人。動きも少なくて、題材も華やかさには欠けますが、テキストをきちんと追う(戯曲がついているとこれが嬉しい)と、その深さを認識できるのだけれど、その情愛というものを、想像で読むしかないアタシは気持ちのもって行き場に困るのです。精を付けるための

「痩せた〜」は冒頭で携帯電話がでてくるなど、多少の脚色。書かれた時代とは違いますが、「春」が昔であることをしっかり描いているので、序盤でアタシの気持ちを現代に戻してくれるのは嬉しい。久しぶりに帰ってきた喪主の男、その養父的な「おっちゃん」は姿を見せませんが、最後の内縁の妻たる女と、男の恋人を交えてのあれこれ。目の前で演じられている芝居をみながらアタシの頭にあったのは、西原理恵子がいくつ書いている、高知の漁師町の話。あの話のような色っぽさの部分はないけれど、どうやって生きているかわからないおっちゃんと、若い後妻の話。これもアタシは未経験のことだけれども。

役者がかなり入れ替わっています。かつて「子供の領分」(1,2)が担っていたような、あるいはナベゲンが準備公演的に必要としたように次の一歩のための公演なのだと思います。それを目撃するのも観客の一つの楽しみなのです。

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